M.M 愛欲姉妹ロリータ




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
6 7 - 73 2〜3 2019/3/5
作品ページ(R-18注意) サークルページ(R-18注意)



<いつもの夜のひつじさんのテキストの中で、対称的なロリータ姉妹の姿を堪能してください。>

 この「愛欲姉妹ロリータ」という作品は同人サークルである「夜のひつじ」で制作されたビジュアルノベルです。同人ビジュアルノベル界隈において、夜のひつじさんの名前は多くの方の知るところにあると思います。これまで数多くの18禁作品を制作しており、コミケ等の機会を通して定期的なペースで発表しております。ジャンルも多彩であり、そのどれもが哲学的な言い回しが特徴でいわゆる抜きゲーには終わらせない魅力があります。必ずや、あなたにとってのお気に入りのタイトルに出会えると思いますので、是非公式HPにて好みの作品をクリックしそのままダウンロードサイトで購入してみて下さい。

 今回レビューしている「愛欲姉妹ロリータ」は、夜のひつじさんで最近定期的に発表しているロリータシリーズのC95作品となります。ロリータシリーズも今作で6作品目になるのでしょうか。ここまで同じジャンルのタイトルが続く事も無かったのではないかと思っております。それだけニッチなジャンルであり、だからこそ多くの人にヒットしたのかなと思っております。ロリータですけどやる事はやってますし結末も容赦ないですからね。言ってしまえば、妊娠します。そんな、非現実的なキャラクターなのにシナリオは不思議と現実的なのもまた、ロリータシリーズの特徴かもしれません。今回は姉妹という事で、また夜のひつじさん独特のセリフ回しでどのようなシナリオが読めるのか楽しみにプレイしました。参考に、これまでプレイしたロリータシリーズのレビューをご覧になりたい方は以下のリンクからどうぞ。

「相思相愛ロリータ」のレビューはこちら
「ゆびきり婚約ロリイタ」のレビューはこちら
「相思相愛ロリータの生活」のレビューはこちら
「おとまり恋人ロリータ」のレビューはこちら
「ハーレム双子ロリータ」のレビューはこちら

 今作の特徴は、姉と妹という立場が分かり易く表現されたキャラクターにあると思いました。姉であるちあきは、姉らしく妹の前ではちゃんとした振る舞いを心がけております。超えてはいけない一線を理解しており、そうした分別を弁えようとするのです。それに対して妹であるあとりは、持ち前の無邪気さを全開にして真っ直ぐに主人公に迫ります。あまり倫理観が育っていない様子が良く伝わりました。そんな姉と妹の対比の中で、少しずつ姉妹が持つ悩みや心の隙間を理解して関係を深めていきます。いや、基本的に主人公はダメな大人なんです。それでも、最後にはお互いに掛け替えのない存在になる純愛なシナリオがお見事でした。

 そして今作もピアノを中心とした柔らかいBGMが特徴です。作中の半分以上がHシーンではありますが、日常シーンとHシーンが流れるように切り替わっていきます。その役割を担っているのがBGMであり、変化しない中でシーンが切り替わっていきますのでHシーンが完全に日常に溶け込んでいるような感覚になります。このナチュラルさもまたロリータシリーズの特徴であり、知らず知らずのうちにダメな大人への道を歩ませているのかも知れません。まあ、この作品を手に取っている人はそんな事は百も承知だと思います。そんな麻薬の様なシーンの切り替えを、心地よいBGMと共に楽しんで下さい。

 プレイ時間は私で2時間30分でした。選択肢はなく、最後までクリック1つで読む事が出来ます。Hシーンの数は10以上あり、姉妹ですので1人ずつのシーンもあれば2人が絡み合ったシーンもあります。体位や場所も様々で、同じシーンは一つもありません。回数を重ねていく中でどんどんHになっていく様子を確認してみて下さい。そして、エンディングに向けて3人がどのような関係になるのかも是非見届けて下さい。偶然の出会いから生まれた関係が掛け替えのないものに変わっていく、誰にも言えない秘めた気持ちを曝け出していく、そんな純愛なシナリオも是非丁寧に読んで欲しいです。何よりもロリータシリーズですので、素直にロリセックスを楽しむ事から始めるのが良いんですかね。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。








































<人はどこまでも自由であって欲しい、きっとその先に本当の幸せがあるんですね。>

 18禁ゲームにおいて、主人公が1人暮らしだとかヒロインの両親が住み込みで働いて家に殆どいないといったシチュエーションは割と当たり前です。その方がHするのに都合が良いからです。ですが、現実世界では滅多なことが無い限りそういった環境の人はいないと思います。一日の中で誰かしら家族と顔を合わせる、そんな普通の事が出来ない家族も勿論います。そんな、子供の寂しさから目を背けず描いたのが今作のシナリオでした。

 高級マンションで家政婦が身の回りの世話をしてくれてお金の心配のない生活、これだけ聞けば多くの人が憧れると思います。ですがその代わりに四六時中2人っきりの生活であり、一生これが続くのではないかと思っておりました。だからこそ、あとりは生きていても特に意味はないと思うようになり死ぬための練習をしておりました。逆にちあきは常識を持っておりましたので、そんなあとりを羨ましく思いつつも自分の気持ちに蓋をしておりました。姉妹にとって主人公は、そんな2人の満たされない愛情を与えてくれる存在でした。自分達が望んでも手が届かなかったものを与えてくれる、自分達が本当の欲しかったものを与えてくれる、やっと2人に年相応の子供らしさが戻った気がします。

 作中で「人はどこまでも自由であって欲しい」というセリフがありました。これはある意味ロリータシリーズ共通のテーマでもあります。ロリータシリーズの特徴は、まだ生理が来たばかりの小さな女の子とひたすらHして最終的には妊娠させるシナリオです。あまりにもインモラルであり、現実世界でこれを行ってしまえば社会的信用を一瞬で失ってしまいます。こういったロリータシリーズが好きなどと一般社会では口に出来ないという事です。だからこそそんな自分の性癖や趣味に対して、せめてどこかで自由でありたいというのは当たり前の欲求です。多様性を認めるという事ですね。理解しなくても良いからとりあえず納得してくれればいい、それだけでどれだけの人が救われるのでしょうか。

 今作で言えば、ちあきの母親に対する気持ちでした。自分達を捨てた母親に対してちあきは憎しみを持っておりました。ですけど、自分がちゃんとしていればいつかは両親が帰ってくるのではないかという気持ちもありました。これに対して主人公は「帰ってこないよ」と言い切りました。その上で、母親を許せないと思う自分を許してやればいいと言ってくれました。人を恨む事は悪い事かも知れません。ですけど、そう思う自分の気持ちは本物であり正直なものです。それが自分というもの、それを許さなかったら自分を見失ってしまいますからね。自分の醜い気持ちを許していいよという主人公のセリフ、ちあきが一番求めていた言葉でした。

 あとりもまた、人生に対してどこか諦めを持っておりました。死ぬための練習を、まだ生理も来ない子供がするというのも寂しいものです。ですけど、同時に人生はまだまだ続いていくという事も理解しておりました。作中でも「人生とは苦しんで生きる事」というセリフがありました。生きるという事はそれだけで苦しい、それでも死なずに今ここに居る、それが人生なんですね。ちあきとあとりの家族は壊れてしまいました。苦しい事だと思います。それでも人生は続いていきます。そうであるのなら、死ぬための練習ではなく生きるための練習をすればいい。それに主人公が気付かせてくれました。

 エンディングで妊娠したちあきとあとりが主人公に組してHするシーン、あれが彼ら3人の幸せの形でした。家族という物が分からず閉塞感に包まれた生活をしていたちあきとあとり、そこに主人公はメスを入れて幸せへの道を示してくれました。幸せの形は人それぞれです。そして、幸せを追求しようと思えば思う程世の中の常識やマナーといった物との違いを見せつけられます。本当の意味で幸せになる、それには大きな覚悟と決意が必要なのかも知れませんね。主人公は家政婦や学校の先生に組してちあきとあとりを手に入れました。これが3人の幸せです。これからも、眩しい位の姿を見せつけて欲しいと思いました。ありがとうございました。


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