M.M ハーレム双子ロリータ




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
5 8 - 70 2〜3 2018/1/7
作品ページ(R-18注意) サークルページ(R-18注意)



<当たり前のように体を重ね合うユートピア、それがロリータシリーズの特徴であり全てだと思っております。>

 この「ハーレム双子ロリータ」は同人ゲームサークルである「夜のひつじ」で制作されたビジュアルノベルです。夜のひつじさんの作品も随分プレイ本数が増えた気がします。即売会の度に新作を発表されており、そのバイタリティと制作スピードの速さに感心させられます。そんな夜のひつじさんですが、ここ最近はロリータを扱った作品が増えている気がします。相思相愛ロリータから始まり、これまで計4本の作品を発表しております。どれも非常に甘い雰囲気の中で、幸せを求めるダメな大人の姿を描いております。過去作も全て通販などで入手できますので、是非興味があれば手に取ってみて下さい。これまで発表されたロリータ作品を以下にまとめておりますので参考にご覧下さい。

「相思相愛ロリータ」のレビューはこちら
「ゆびきり婚約ロリイタ」のレビューはこちら
「相思相愛ロリータの生活」のレビューはこちら
「おとまり恋人ロリータ」のレビューはこちら

 そして、今回の新作はタイトルにあります通りハーレムです。これまでの作品は全て主人公とヒロインの女の子の一対一の構図でしたが、ここにきてついに一対二となりました。元々夜のひつじさんの作品はダブルヒロインの構図のものが多いですが、これがようやくロリータシリーズでもダブルヒロインとなりました。加えてビジュアルはこれまでのロリータシリーズを描いてきた「ぴよ寺むちゃ氏」と「うさ城まに氏」です。実績のあるイラストレータによる夢の共演であり、これまでのロリータシリーズの集大成の様な意気込みを感じました。ダメな大人になる事をコンセプトに掲げているロリータシリーズ、今回もどのようにプレイヤーを蕩けさせるのか楽しみにプレイ始めました。

 夜のひつじさんの作品はフェチ的な18禁要素が一番の魅力ですが、合わせて作品全体を包み込む独特の雰囲気が特徴です。今回のロリータシリーズであれば、ただ小さな女の子がひたすら可愛いだけではなく徹底的に主人公を甘えさせてくれる雰囲気ですね。まだ生理も来ていないようなあどけない女の子に性的なことをするなど、現実ではもちろん二次元でも非常に背徳的です。それでも、そんな背徳的な行動を全て許してくれるような不思議な雰囲気がこのロリータシリーズにはあるのです。この瞬間だけはダメな大人になってもいい、それは一種の麻薬のような魅力。ましてや今回はハーレムですからね。2人の女の子にひたすら種付け出来る、そしてそれを誰も咎める人がいない、この感覚に病みつきになりましょう。

 そしてそのような柔らかい雰囲気は登場人物のビジュアルのみではなく、BGMやボイスなど全ての要素を集約して作っております。特にBGMはその全てがピアノを中心とした楽曲であり、まるで喫茶店にいるような落ち着いた雰囲気にさせてくれます。こんな小さな女の子が現実にいるはずがない、それでも今この瞬間だけはそんな事を忘れて全てを委ねてもいい、それを演出しているのです。BGMそのものが自己主張している訳ではありません。あくまで主人公とダブルヒロインがいる3人の世界を後支えしているだけです。そんな至高の雰囲気を味わってみてください。

 プレイ時間は私で2時間20分くらいでした。選択肢はなく、ヒロインとの出会いから始まり行き着く先まで一気に描いております。Hシーンの数は10以上あり、それが日常の描写に溶け込んでおります。Hシーンと通常のシーンに区別がないという事です。当たり前のように体を重ね合うユートピア、それがロリータシリーズの特徴であり全てだと思っております。ダブルヒロインという事でお互いの性格も真逆ですが、ひたすら主人公を甘えさせてくれる事だけは共通です。是非最後までプレイして、この時だけはダメな大人になってみて下さい。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。








































<本当の幸せとは何か、富とは何か、希望とは何か、是非自分に置き換えて考えてみては如何でしょうか。>

 ロリータシリーズはそのどれもが同じ様な作品に見えてしまいますが、実際プレイしてみるとそれぞれで明確にテーマを持っており言いたい事が違っているのが分かると思います。今回のハーレム双子ロリータで言いたいことは、恐らくは伴侶という事。作中では富という言葉を多用しておりました。人間が持つ一番の富は伴侶、それを体現した様なシナリオとキャラクターでした。

 両親を失って孤児院で生活しているとまりとすなお。その愛くるしい姿とは裏腹に家族を持つという事に対して人一倍執着があったように思えます。人並みに性的な事に興味を持っておりましたが、それ以上にそうした愛情を求めておりましたのでそれを受け止めてくれる存在がいればもうひたすら関係を持つだけでした。「私のためにだめになってくれない?」というセリフはただ単に主人公を誘惑するだけの言葉ではありません。本当に自分自信のための言葉だったのです。

 主人公もまた、日々繰り返される単調な生活にどこか希望を見失っておりました。このまま時間だけ浪費して老いていくのだろう、そんな漠然とした考えがありました。そして、その事を罪だと捉えている側面もありました。人間という生物の役割を考えたとき、積極的に子孫を残そうとしないのは罪なのかも知れません。これは誰かに言われたからという事ではなく、本能的なものなのだと思っております。だからこそ教会に足を運んだ主人公、そんな彼の内面を感じ取ったからこそ、とまりとすなおはこの人にアプローチしようと思ったのですね。お互いに羨望を持っております。それがピッタリとマッチングしたんですね。

 そうした家族の持つ愛情、伴侶がいる安心を求めた3人だからこそ、後はひたすらイチャラブするだけでした。悪いことをしよう、だめなことをしよう、そんな背徳的なセリフは全て愛のある生活に対する気恥ずかしさに思えました。そして、そんな愛のある生活を失いたくない必死さの現れのようにも思えました。作中でも「ひとりぼっちは寂しい」「お金も、名声も、役職も、伴侶の代わりにはならない」と言っておりました。3人が傍にいるためなら、そんな言葉を使っても構わないという覚悟も感じましたね。敢えて背徳的なセリフを使うのはプレイヤーに対するサービスな部分ももちろんあるのでしょうけど、それ以上に彼らにとっては必要な行為だったと思っております。

 世の中的に、こんな生理が来たばかりの女の子を孕ませるのは罪深い事です。ですが、彼女たちの富を考えればそんな世間の視線は関係ありませんでした。大切なのは伴侶がいるということ、かぞくになるということです。それが叶えられることが一番の望みであり、希望でした。ダメな大人なのは世の中から見た視点での話です。でも、ちゃんとかぞくになると決心しての行動であれば、私は決してダメな大人だとは思いません。中途半端な決意で起こした行動ではない、それは当人達が一番理解している事です。私たちは、そんな彼らの行動のほんの一部を垣間見ただけです。本当の幸せとは何か、富とは何か、希望とは何か、是非一度このことについて考えてみては如何でしょうか。いつものロリータシリーズの雰囲気そのままに、心にスっと入ってくるシナリオとテーマでした。ありがとうございました。


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