M.M DAGGER 有色の姫巫女
シナリオ | BGM | 主題歌 | 総合 | プレイ時間 | 公開年月日 |
5 | 7 | - | A | 1〜2 | 2015/8/19 |
作品ページ | サークルページ |
この「DAGGER 有色の姫巫女」は先に発売された「DAGGER 戦場の最前点」「DAGGER 点を支えし者達」「DAGGER 有色の戦人」「DAGGER 銀環の誓い」の続きとなっております。その為レビューにはこれら過去作品を含めたネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。
・「DAGGER 戦場の最前点」のレビューはこちら
・「DAGGER 点を支えし者達」のレビューはこちら
・「DAGGER 有色の戦人」のレビューはこちら
・「DAGGER 銀環の誓い」のレビューはこちら
※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。
以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。
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<いつでも傍にいる。これ程人の支えになることはないと思いました。>
私、プレイし終わって暫く悩んでました。今回レビューしている「DAGGER 有色の姫巫女」ですが、これまでプレイしてきたDAGGERシリーズと比べて何か違うと思ったんですね。いつもの優しいテイストは変わりませんし使用している素材も変わりません。ですが拭いきれなかった僅かな違和感。始めはその正体が分かりませんでしたが、あらすじを見返して気がつきました。今回のシナリオって、最愛の人物が死んでしまう事が約束された状態でスタートするんですよね。
DAGGERシリーズの魅力は登場人物たちの真剣で素直な姿勢、そして剣と魔法が生きているファンタジーの世界だと思っております。そしてどんなに困難が待っていようとも挫けそうになろうとも、最後にはハッピーエンドが待っているんです。それは主人公を支えてくれる仲間がいるから、信じてくれる人がいるから死ぬわけにはいかないんです。死なないからこそティストは輝くのだと思いますし、プレイヤーもティストが死なない事を信じているからその優しい雰囲気を甘受できるのだろうと思います。これはDAGGERシリーズ全体のテーマだと思いますし、この諦めない姿勢こそがプレイヤーにも勇気を与えるのだと思います。
だからこそ、今回の外伝の主人公が魔族の王であるレオン・グレイスの妻であるシーナ・グレイス、ガイ・ブラスタの妻であるユミル・ブラスタの2名であるという事そのものが私にとって既に悔しさでした。始めこそコメディ調の穏やかな雰囲気で始まりましたが、グレナル・ダニア・ルクスの最低最悪の奴らに囲まれたときに悟りました。ああ、きっとここが死に場所なんだなと。予想通り3人の残忍で圧倒的な力量の前に志半ばでその命を散らしてしまいました。約束された帰結でした。
ですが本当の悔しさはその後からでした。魔族の秘術にとって、なんと彼女らは一週間だけ生き返ることが出来たのです。まさかこんな展開になるとは思いませんでした。こんなの、最後の瞬間がくるのが分かっているのに耐えれるわけがないじゃないですか!これが死の代償、復讐のために用意された秘術なんだなと思いました。私が自分の気持ちに整理がついていない状態で、彼らは自分の気持ちに正直になり愛する人との時間を過ごしました。
「私を自由にしていいのは、ガイ・ブラスタただ一人」
「わたしの五感の全てに、ガイ・ブラスタを刻み付ける」
「アタシの目的は、いつも、いつだって、レオン・グレイスだった」
「レオン・グレイスの生殺与奪を握っているのは、シーナ・グレイスなの」
悔しかったと思います。心残りだったと思います。それでも時間は待ってくれません。でも、彼女らは最愛の人に自分の全てを託し本当にこの世から旅立って行きました。では残されたものはどうしたのでしょうか。レオンは家族と折り合いを付けれずにいました。ガイは自分の痛めつけるように訓練に励みました。2人ともやっぱり自分の気持ちに整理がついていませんでした。この時、少し私自身も救われました。ああ、気持ちの整理がついていないのはみんな同じなんだなと。当たり前だと思います。最愛の人なんです。離れなければいけないなんて、納得できるはずがありません。例え復讐を達成したとしても彼女らは戻ってこないのです。
でもそんな事はありませんでした。むしろ、彼女たちはいつでも彼らのそばにいました。いつも一緒に支えて一緒に闘ってくれました。何故なら、いざという時に現れてくれたのですから。レオンが復讐に染まろうとした時にセレノアのところに戻してくれたシーナ、ガイが死にそうになった時に支えてくれたユミル、一番いて欲しい時にちゃんといてくれましたね。その事が分かれば、もうレオンもガイも迷うことはありませんね。いつでも傍にいる。これ程人の支えになることはないと思いました。死んでしまう事は悲しいこと。でも全てが失われるわけではありません。大切なのは想い続けること。それが生きるための力になるのだと思いました。
だいぶ感情的に書いてしまいましたのでそろそろまとめようと思います。本編を補足するエピソードのおかげで小さな伏線が回収されより目的が明確になりました。最大の黒幕は奴らに仕事を依頼した人物なのだと思います。それはもしかしてイクスなのでしょうか?そしてあの最悪な奴らにも失った人物がいる事が分かりました。奴らが外道に堕ちたのは、最愛の人を失った悲しみからなのかも知れませんね。それでも彼らの行動が許されるわけではありません。今後ますます激化していくであろう展開の中で、彼らがどのように成長していくのか楽しみです。ありがとうございました。
あと個人的に超驚いたのは、スタッフロールに私の名前がありました!まさかのスペシャルサンクス!C88で意味深なことを言っていたと思っていたのですがこのことだったんですね!もう天にも登る嬉しさでした!思わず「おおおおおおおおおおおお!!!!」って叫んでしまいましたからね!本当にありがとうございます!これからも応援してます!