M.M DAGGER 銀環の誓い
シナリオ | BGM | 主題歌 | 総合 | プレイ時間 | 公開年月日 |
8 | 7 | - | 84 | 5〜6 | 2015/1/3 |
作品ページ | サークルページ |
この「DAGGER 銀環の誓い」は先に発売された「DAGGER 戦場の最前点」「DAGGER 点を支えし者達」「DAGGER 有色の戦人」の続きとなっております。その為レビューにはこれら過去作品を含めたネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。
・「DAGGER 戦場の最前点」のレビューはこちら
・「DAGGER 点を支えし者達」のレビューはこちら
・「DAGGER 有色の戦人」のレビューはこちら
※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。
以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。
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<誰にでも優しいし無茶をするのがティスト。だから、私は癒しの魔法を覚えた。>
「あたしの力は、あなたの力」
「あたしの全ては、あなたのもの」
「だから、もう一度、目を覚まして」
…ホロリと涙が出そうになりました。物語後半、精霊族から疑いをかけられ処刑される寸前でティストの下に帰ってきたアイシスとユイ、そしてアイシスが全力で精霊族からの攻撃を防御している時にユイが言ったセリフです。私はどうなっても構わない。だから、どうか私の下から居なくならないで。そんなユイの純粋で真っ直ぐで健気で強い想いがまっすぐ私の心にも突き刺さりました。この作品は登場する全てのキャラクター誰もが純粋でありティストの事を想っているのですが、戦闘に長けてはなくいつもサポート役として接してきたユイの想いはまた少し違うのだと思いました。ここが彼女の戦場であり、彼女が全てを捧げる場所でありました。
という訳で今作のメインヒロインはティストの幼馴染でありライズ&セットの看板娘であるユイでした。実際はあとがきでも話していた通りアイシスとユイのダブルヒロインではありましたが、やはり彼女の視点で彼女の気持ちが多く書かれている事もあり私の中ではユイがメインヒロインで間違いないですね。特別細かく言うことはありません、純粋にティストの事を考えティストの為に行動しティストの事を慕うその真っ直ぐな想いが全てです。彼女ほどティストを理解している女の子は居ませんね。実際に一緒に戦わなくても生活すべてをサポートし常に気を配っている彼女だからこそ見えるものがありました。物語はそんな彼女にティストが「俺と寝食を共にして、同じ道を歩んでほしい」と語るところで幕を開けます。
DAGGERシリーズもこれで第三章という事で色々と核心に迫る部分のエピソードもありました。何故イスク卿はあれ程までにティストを毛嫌いするのか、かつてクレアやレジ、シアやラインと戦った黒のローブの人物は誰なのか、そうした過去の話がいよいよ今作で明らかになりました。今更ではありますが非常にスケールの大きなプロットに驚いております。人間と魔族、精霊族の確執は思ったよりも根深く、今回の一連の事件の中で明るみになりました。果たして今この大陸で何が起こっているのか、本当に三者が分かり合える日は来るのか、そしてイスク卿は一体何を考えているのか、ますます次回作に向けて楽しみが募りました。
そして今作でも圧倒的な敵キャラが出てきました。前作で搭乗したグレナルも圧倒的でしたが、今回登場したタニア・エネルはそれ以上の残忍さでした。強さは勿論ですがそれ以上にタニアの壊れっぷりにゾッとしました。作中でも「道を外れるというのは何かを感じなくなることなのかもしれない」と言ってましたが、あの自身の愉悦のためにどこまでも他人を不幸に貶める残忍さはもはや人ではありませんね。タニアも最愛の人を失ったという話もありますが、それであるなら尚の事相手のことを理解できると思います。それが出来ず唯他人の不幸だけを求める姿、もう元に戻ることは出来なかったのでしょう。最後にティストと一緒に死のうとした姿は恐怖を超えてどこか哀れに思えました。彼女ももしかしたら、このような最期を迎えることなくライズ&セットで働いている未来があったのかも知れません。
という訳で「銀環の誓い」の感想でした。もう本当にユイの真っ直ぐな想いが全てであり彼女の一途な想いを妨げる存在は全て居なくなればいいとさえ思いました。後はCGの全てが水彩画のような暖かさがありしばらく見入ってました。登場人物達に対する大変な思い入れを感じましたね。本当、最後の家族のCGの通りに誰も死ぬことがなく幸せな日常に帰って来れて良かったと思いました。さて、この後ティスト達にやってくる出来事は何なのでしょうか。イスク卿は今度はどのような手でティストを追い詰めるのでしょうか。そして残りのルクス、ヴェス・ノイン等黒のローブ達はどれほどの実力なのでしょうか。死者を生き返らせる秘宝は本当に存在するのでしょうか。次回を楽しみにします。ありがとうございました。