M.M 紅 〜醜悪祭(上)〜 インプレッション


3、紅 〜醜悪祭(上)〜

2011/5/7更新


 さて、驚きの展開になってきました。あの柔沢紅香が殺されたとはビックリですね。最強の揉め事処理屋にしながらその遡上が殆ど語られていない人物です。まあ、何かの間違いかと信じて読み進めていますが、また悪宇商会からとんでもない奴が現れました。という訳で「紅〜醜悪祭〜(上)」の感想です。

 とりあえず冬になり、クリスマスも近づきつつそれなりに平穏な生活を送っている真九郎と紫、銀子や夕乃との関係も相変わらずでこのまま年を無事越す事が出来ればと考えていました。ですがそんな空想は儚く散ってしまいましたね。突然銀子から告げられた柔沢紅香の死亡説、そして瀬川静之からの依頼です。

 依頼内容は、行方不明になった姉を探してほしいというもので、これまで真九郎が行ってきた以来と比べてさほど重いものでもありません。ですが、柔沢紅香の死と同時期に舞い込んできた依頼、当然関係しないはずがありません。それでも最初は身辺調査や聞き込み調査などを行ってなかなか手がかりがつかめずにいました。

 そんな中で見つけた赤い手紙、これがやはりと言いますか何と言いますか悪宇商会と繋がっていたとは恐れ多いですね。ようやく捕まえた姉の行方、ですがそこは悪宇商会の取り仕切る違法カジノでした。やっぱり真九郎と悪宇商会とは既に切っても切れない関係になってしまったようですね。そして、クライアントである瀬川静之の依頼を完遂する事、これすなわち悪宇商会と闘う事という図式が完成してしまった訳です。

 という訳でこの構図自体は既におなじみになりつつあります。ですが、完全に真九郎にとって誤算だった点がありました。それは、今回の相手である「星噛絶奈」が悪宇商会の最高顧問だったという事です。また若い女性かと思っていましたが、どうやらこいつの強さは前巻で登場した「ギロチン」よりも強そうです。通り名は「孤人要塞」、これは柔沢紅香を殺した犯人とされている名前であり、たった一人で要塞程の攻撃力と防御力を併せ持つという事です。さすがに崩月の戦鬼でもこいつ相手は分が悪かったようです。いつもなら気力で応戦する真九郎ですが今回はさすがに勝てないと感じて撤退を余儀なくされました。

 というか、この孤人要塞はいったいなんなのでしょうね。まさか貨物列車に衝突したにもかかわらずケロリとするなんて反則です。そりゃ真九郎も

「本当に……人間か……?」

と聞き返したくもなります。こればっかりは次元が違います。そんな絶望的な状況での間一髪の脱出、はたして真九郎を助けたのは誰なのか、そして勝算はあるのか、その答えは「〜醜悪祭〜(下)」にあることでしょう。


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