M.M 聖学少女探偵舎 Vol.3 名探偵、参上!


 この「聖学少女探偵舎 Vol.3 名探偵、参上!」は前作である「聖学少女探偵舎 Vol.1 咲山巴と先輩達」と「聖学少女探偵舎 Vol.2 幾星霜、流る涯」の続編となっております。その為レビューには「聖学少女探偵舎 Vol.1 咲山巴と先輩達」と「聖学少女探偵舎 Vol.2 幾星霜、流る涯」を含めたネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。

・「聖学少女探偵舎 Vol.1 咲山巴と先輩達」のレビューはこちら
・「聖学少女探偵舎 Vol.2 幾星霜、流る涯」のレビューはこちら

※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。





















































































<非常識な発想と行動を迫られる探偵という仕事、だからこそ彼女らは生き生きとしているのでしょうね>

 ようやく本格的に物語が動き出したという感じです。探偵舎の周りで起きる不可解な事件、そしてその裏で暗躍する謎の敵。まだ直接的に対峙しているわけではありませんが、探偵舎のそれぞれのメンバーが着実に真実に近づいているいる以上衝突するのは時間の問題ですね。そしてこの怪事件に対して巴はどう動くのか、今は憔悴して気持ちを失ってますけど、巴が小学4年生の時に初めて探偵になったあの時の高揚感を思い出して是非安楽椅子探偵としての力を発揮して欲しいと思っております。

 今回は前回以上に多くのキャラクターが登場していました。これは単純にキャラクターが増えたということではなく様々な時系列で様々な視点で語られていましたので、同日人物でも全然新しい印象をプレイヤーに与えてくれました。特に印象に残ったのはやはり黒峯知弥子の過去でしたね。キワモノ揃いの探偵舎の中でも一際キワモノという印象でしたが、まさかあのような壮大な過去を持っているとは思っても見ませんでした。成程、あんな過去を持っていればあそこまで突出して自分の命を危険にさらすような行動を取れるのも納得ですね。何しろ一度死んでいるわけですからね。彼女の行動が間違いなくこの怪事件を突破させる切欠になると思っております。

 そんな知弥子が今回語っていたセリフの中で1つとても印象に残ったものがありました。それは「探偵は非常識であるべき」というセリフです。事件が起きてその事件の真実について解決するのが名探偵だというセリフは度々登場してきました。そして解決するためには時には常識を超えた突飛な発想が必要でありその突飛な発想が事実の検証で最もらしければそれが真実になってしまいます。そもそも殺人事件という事そのものが既に非常識な事件ですので、初めから常識的な考えで臨んではいけないのかも知れません。今回も各キャラクターが常識では考えられないような行動をとり思考を巡らせ事件の解決に挑んでました。そうであるからこそ見える真実が、きっといつか報われるのだと信じております。

 後は巴の今後が心配ですね。隠そうと思っても隠せなかった巴自身の性癖、それをも上回る過去のトラウマとはどのようなものなのでしょうか。名前を聞いただけで探偵になることを諦めてしまうほどの存在とはどのような人物なのでしょうか。まだまだ巴の過去については語られてませんので早く真実が知りたいですね。そして巴が小学校の時に関わった人物は私の予想以上にこの怪事件に関わっているみたいです。そもそも敵か味方かすらハッキリしてませんからね。何れも巴以上のポテンシャルを秘めている人物ばかりですので、探偵舎にとっては大変苦戦する相手になりそうです。

 既に提示された全ての状況を把握しきれなくなってきているのですが、まずは探偵舎それぞれのメンバーの行動原理さえ押さえていれば今後の展開にもついていけるでしょうか。皆さん実力は高いですけどそこはやはり中学高校生ですので時には可愛らしい表情も見せてくれます。そんな素直な探偵舎の皆さんの行動原理は大変シンプルであり、それは「探偵である」という事と「巴を探偵舎に留めたい」という事です。決して仲良くはないかもしれませんが認め合っている事は間違いない探偵舎ですので、必ずやこの怪事件に対して全員で立ち向かってくれるのだと思っております。次回を楽しみにしましょう。


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