M.M 佐倉ユウナの上京・秋




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
8 7 - 81 1〜2 2018/10/19
作品ページ サークルページ



 この「佐倉ユウナの上京・秋」は前作である「佐倉ユウナの上京・春」「佐倉ユウナの上京・夏」の続編となっております。その為レビューには「佐倉ユウナの上京・春」「佐倉ユウナの上京・夏」のネタバレが含まれておりますので、ネタバレを視たくない方はご遠慮下さい。またネタバレ無しのレビューについては「佐倉ユウナの上京・春」のレビューを参照下さい

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※このレビューには「佐倉ユウナの上京・秋」のネタバレありしかありません。本作をプレイした方のみサポートしております。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。





















































































<咲間が自分の事をどう思われようと関係ないと思うと同時に、相手が咲間をどう思おうとも関係ないんです。>


「あの人はいつだって、涼しい顔をしてハードルを飛び越えていくんだから」


 そう、咲間鷹司はいつも涼しい顔をして来たんですよね。大学受験はレベルを下げて聡桜大学の二十一世紀創造学部を選んで現役で合格、大学生活も自分の好きな経済学と天文学を選び真面目にコツコツと成績を積み上げ、経営会計学会では特に問題も起こさず付かず離れず周りのメンバーと関係を築き、転部を決意した時も正直何とかなるだろうと思っていたのだと思います。ですが、そんな咲間の考えはビジコンの前にあっけなく崩れてしまいました。少しずつ、自分の思い通りに回らなくなってきました。いよいよ、咲間が本気を出さなければいけない時が来たんですね。

 私は、正直咲間の気持ちは良く分かるんですよ。別に咲間は自分自身が本気になっていないなんて思ってないと思います。自分らしく、自分のペースでこの20年間生きてきました。確かに周りから見たらチャレンジ精神が足りない様に見えたかもしれません。どこか斜に構えてプライドだけ高いように見えるかも知れません。ですけど、それが咲間らしさだと思います。悪い事なんて、何もしていないのですから。言ってしまえば、勝手に周りが期待したり失望したりしているだけです。そんな事、咲間にとっては知った事ではないですね。

 ですけど、そんな風に割り切れたら揉め事なんて起こりません。人間、何らかの形で交わればどうしても相手に対して無感情ではいれないものです。成績が良い咲間に、期待する人が出るのは当たり前です。同様に羨望の眼差しを向ける人が出るのも当たり前です。その気持ちに、咲間本人の気持ちは関係ないんですね。咲間が自分の事をどう思われようと関係ないと思うと同時に、相手が咲間をどう思おうとも関係ないんです。少なくとも、咲間の周りにはそれだけ咲間の事を慕う人が集まっておりました。緒方・小山を始めとした咲間チームのメンバー、咲間を目の敵にしていた後藤田、バイト先のサブ、そして佐倉ユウナです。これだけの人が期待と羨望を向けてくれるのです。その事に、咲間は当然気付いておりました。

 風邪を引いていたとはいえ、ビジコンでズダボロにされてしまった咲間。その事実に、確かに悔しいという気持ちを持っておりました。そうでなければ、本番直前に「大丈夫だって、言ってんだろうが!!」と声を荒げたりしません。後藤田に汚い言葉を向けたりしません。殴り合いなんて、熱い気持ちを持ってなければ絶対に起こりえません。これが咲間の本音でありありのままの気持ちなのだと思います。悔しい、ただ悔しかったんですね。経済も会計も興味ないなんて、きっと咲間の苦し紛れの言い訳何だと思っております。そうでなければ、今この瞬間咲間は聡桜大学にいませんもの。

 ユウナが自分の事をどう思っているか測り間違っていた咲間。そして自分が本当に興味があるのが経済なのか会計なのか天文なのかすら分からなくなってしまった咲間。何れにしても、これだけの事件を起こしてしまったのですからここから先は間違いなく茨の道です。こういう時だからこそ、自分自身に目を向けるしかないんですね。本当に経済学部に転部したいのか、天文学を学んでいたかったのか、佐倉ユウナの事が一番大切なのか、サークルのメンバーの期待に応えたかったのか、両親の期待に応えたかったのか。勿論そのどれもだと思います。後は、今度こそありのままに自分の気持ちに従って行動するだけですね。咲間の人生は、咲間のものなのですから。私達は、その結末を見届ける事にしましょう。さて、残りは冬です。


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