M.M りかメア! -RE;KINDLING NIGHTMARE!-




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
7 7 - 80 1〜2 2021/2/21
作品ページ(BOOTH参照) サークルページ DL版

グッズセット版



 この「りかメア! -RE;KINDLING NIGHTMARE!-(以下りかメア!)」は先に発売された「りかラバ!FD -REKINDLING LOVERS! FUTURE'S DIARY-(以下りかラバ!FD)」及び「りかラバ! -REKINDLING LOVERS!-(以下りかラバ!)」の続編となっております。その為レビューには「りかラバ!FD」「りかラバ!」を含めたネタバレが含まれておりますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。

「りかラバ! -REKINDLING LOVERS!-」のレビューはこちら
「りかラバ!FD -REKINDLING LOVERS! FUTURE'S DIARY-」のレビューはこちら

※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。





















































































<言わなくても分かるという傲慢。想いを伝え合えない疲弊。>

 卯月夢見野学園という仮想空間の中で夢と幸せを求めて楽しい学園生活を送るADVであるりかラバ!、このシリーズも今作で3作品目となりました。りかラバ!で人を愛し未来に進む事の大切さを、りかラバ!FDで幸せの在り方を考える事の大切さを感じる事が出来ました。りかメア!は、真衣を主人公としあゆみと真衣にスポットを当てた番外編でした。ここでもやはり、夢と幸せについて考えさせられるシナリオが待っておりました。

 りかラバ!は、表向きはみらいの為の世界であり主人公である永井が努力してみらいと結ばれるシナリオです。勿論あゆみ・真衣・奈津美も非常に魅力的な登場人物であり、5人いないと物語が終わりません。ですが、個人的にこの中でどうしても真衣だけは平凡だと思ってしまいました。あゆみはプリティア大好きな元気少女とブラック企業に働く社畜という2面性が協力であり、奈津美は研究者として絶対欠く事が出来ない立場です。それに対して、真衣は普通の女子高生でありどうしてもキャラクター的にあゆみや奈津美に見劣りしてしまいます。りかラバ!ではみらいにお株を取られてしまい、りかラバ!FDではあの「黒塗りのアルバム」シナリオです。真衣は、そんな超個性的な登場人物を引き立てる為の存在だったのでしょうか。そんな事は無いという事が、今回このりかメア!でハッキリしました。むしろ、純粋な想いとしては誰よりも真っ直ぐで大きいものを持っていると思いましたね。

 あゆみと夢の同棲を始めた真衣ですが、中々あゆみと一緒の時間を過ごす事が出来ておりません。その中で、本当にあゆみは幸せなのか、自分は幸せなのかという事を考えるようになりました。そんな中で倒れてしまったあゆみ、それでも仕事に行かなければと強迫観念のような態度を見せます。初めて見るあゆみの様子に、真衣は本当の歩みが分からないと自信を失ってしまいました。そうであるのなら、学園の中でずっとストレスなく2人で永遠に過ごせばいい。そう考え真衣のあゆみに対する想いはどんどん大きくなっていきました。これまでの真衣の態度や性格からは考えられないような行動でした。AIである結から殆どの権限を手に入れ、自分達の邪魔をする存在は徹底的に排除していきました。まるで、かつてのみらいみたいです。真衣にもこれだけの想いの強さがあったんだなと感心すると同時に、こんな真衣の姿は見たくないとも思いました。

 結局のところ、真衣はあゆみとよく話し合う事をしてこなかったのです。かつての卯月夢見野学園でのあゆみとの思い出に縋りついて、同棲しているという事実に縋りついて、それ以上の行動をしてきませんでした。作中でも「言わなくても分かるという傲慢。想いを伝え合えない疲弊」と言っておりました。結局のところ、人はどんな間柄でも話をして自分の気持ちを伝えなければいけないんですね。相手の気持ちを推し量るなんて、本当はやらない方が良いんです。それって、大体は自分の勘違いで不正解ですから。実際のところ、あゆみは真衣の事を大切に想っておりました。真衣が想像していた事とは真逆でした。真衣が心配するほど、あゆみとの距離は離れてなかったんですね。それを確かめるための、もう一つの卯月夢見野学園での出来事でした。

 エンディングの後、あゆみは仕事をやめておりました。あゆみが「仕事をして、何かに役立ってる自分」でいたかっただけと言っていましたが、私もこれには大きく共感してしまいました。やりたい事でなくても、意欲とか遣り甲斐とかを利用されるとどうしてもこういう思考になってしまうと思います。人の役に立つのなら多少自分を犠牲にしても構わない、そうした心理に付けこまれたあゆみもようやく解放されましたね。デートもとても可愛いものでした。2人とも私服を持っていないから買いに行きましょうとか、本当に今更ですよね。それでも、お互いに気持ちを確認出来て話し合う事の大切さを理解出来ましたので、もう変に気持ちが絡み合う事は無いと思います。是非とも、これからも幸せに生きて欲しいと思いました。これにてりかラバ!3作品の終了です。ずっとこの世界感に触れていたいと思う雰囲気でした。基本楽しく、シリアスもあり、最後は幸せになる。素敵な作品でした。ありがとうございました。


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