M.M 骸の丘
シナリオ | BGM | 主題歌 | 総合 | プレイ時間 | 公開年月日 |
7 | 8 | - | 78 | 6〜7 | 2021/7/19 |
作品ページ(無し) | サークルページ |
この「骸の丘」は先に発売された「また逢う日を楽しみに」「忘却のリコリス・エンブリオ」の続きとなっております。その為レビューには「また逢う日を楽しみに」「忘却のリコリス・エンブリオ」を含めたネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は注意して下さい。
・「また逢う日を楽しみに」のレビューはこちら
・「忘却のリコリス・エンブリオ」のレビューはこちら
※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。
以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。
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<自分が思ったより周りに慕われている事を知れて、良かったですねシズ。>
前作である「忘却のリコリス・エンブリオ」をプレイしてから約3年。久しぶりにこの「また逢う日を楽しみに」シリーズの世界に触れる事が出来て嬉しく思っております。色々と細かい設定を忘れている部分がありますので、少しずつ思い出しながらプレイさせて頂きました。
現人神として生きる覚悟を決めたシズ、時はシズの2人の子供が既に自分の立場を理解し物事を把握できる年齢になる程経過しておりました。状況は今の現人神であるシズ派と次の現人神である朝陽派に二分されており、また一つ新しいステップへと進まなければいけない状況になっておりました。やはり物語の中心にいるのはシズ、現人神として色々な事を決めなければいけない立場であり、彼女の一言一言が妖怪たちの運命を決めてしまうのです。覚悟は決まっていましたが、どこかその宿命に気張り過ぎていると言いますか追い詰められている雰囲気も同時に感じました。読み進めていく中で、これはきっとシズが全部自分で頑張ろうとしてしまっていたからだと思いました。同時に、シズが思っている以上に周りはシズの事を気に掛けている事も分かりました。
前半部は、正直言えば緊張感が無くシリアスなのかコメディなのか良く分からない雰囲気でした。色々な事が決まっている筈なのですが、その重みがと言いますか焦点が見えにくいという感じですね。この辺りは、過去2作品には無かったので気になる部分でした。もっとも、そんな緩い雰囲気だからこそ登場人物のキャラクターをよく理解出来たという側面もありました。それぞれ自分が大切にしたい物をもっており、ある意味それ以外の部分についてはそこまで頓着しない姿勢が伺えました。だからこそ、自分が大切にしたい物が重なった時は本当の戦いになるのでしょうね。そんな一触即発な部分もあり、良くも悪くも登場人物のキャラクターを上手く説明していた前半部だと思いました。
そして後半部、朝陽を現人神にするために、そして高天原家を天下にし続ける為の行動が始まりました。そしてそれは、シズが今まで知る事が無かった過去の出来事を暴く事にもなりました。具体的には、ひばねちゃんの想いとスズシロの想い、そして父親の想いでした。シズは自分が思ったよりも、周りから大切に想われている事を知りました。ダメな現人神だったら、ここまで周りから気に掛けて貰えるはずがありませんからね。特に、スズシロの真実は純粋で真っ直ぐなものでした。本当、全てはシズの為なんですね。シズが驚くのも怒るのも無理はないと思います。自分の事なのに、自分の預かり知らない所で事が進んでいるのですから。ですがそれもまたシズの為だと分かった今、唯々そんな周りの優しさに感謝するだけの姿がありました。
妖怪の子供を産んだシズの寿命は短いです。既に体の至る所に不調をきたしております。それでも、朝陽を現人神にするために、そして高天原家を天下にし続ける為に帝都に行きます。それぞれが、それぞれの役割を担っており理解しているのです。一筋縄に行かないのは間違いないでしょう。だからこそ、新と約束するんですね。「またーー逢いましょう」と。シズは京士郎と出会ったら、どんなことを話すのでしょうね。立場は違ってしまいましたけど好きな気持ちは変わりませんからね。どんな道を進んでも誰もが幸せになる方法はきっとありません。それは、お互い生まれた時から決まっていた様な物です。それでも皆最善の選択をして目指すべきものを達成して欲しいと思いました。まだ終わりません。ブラウ商会とも決着を付けなければいけないですし、何よりもひばねちゃんに逢ってないですからね。きっと、そんな諸々を含めシズが死ぬまで終わらないんでしょうね。続きを楽しみにしております。