M.M リズベルルの魔5+6




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
7 7 - 84 4〜5 2016/2/23
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フリーゲーム夢現



 この「リズベルルの魔5+6」は先に発売された「リズベルルの魔1+2」及び「リズベルルの魔3+4」の続編となっております。その為レビューには「リズベルルの魔1+2」及び「リズベルルの魔3+4」を含めたネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。

「リズベルルの魔1+2」のレビューはこちら
「リズベルルの魔3+4」のレビューはこちら

※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。





















































































<ヴィルフォーナの損失は、リズベルルとジンに改めて自己を愛する事の大切さを思い出させてくれました。>

 いよいよほんとうの戦いが迫ってきました。エンダージェンとその結界を作り上げるシステムとは何なのか、王とはどのような存在なのか、黒き獣の災厄とはどのようなものなのか、そしてそれに立ち向かう導く者と剣主たちとの戦いはどうなるのか。どのようにまとめあげるのかとても楽しみですね。

 今回もリズベルルをはじめとした登場人物達の魅力に溢れた物語でした。何しろ開始して数分でいきなりネムリーのグラビアですからね!可愛すぎでしょう!どんだけノリノリなの!今更言う事でもありませんが、ときてっとさんはあざとく可愛いキャラクターを作るのが天才的にうまいですね。本当にそのキャラクターが好きな事が伝わってきます。そしてそれ以上に登場人物達のパーソナリティが魅力でした。特に今作は改めてリズベルルがノルアードの事を好きで一途なんだなという事が伝わりました。振り返ってみればもう完全にリズベルルとノルアードのノロケ話なんですよね。リィガイムでの新しい出会いは後にやってくるほんとうの戦いへの足掛かりになり大切なものでしたが、まずは2人の恋愛模様を楽しむのが一番だと思いました。

 正直に言ってしまえばノルアードがヘタレなのが原因だと思っております。確かに偶然の重ね合わせはありましたしレイルが実は男だったというとんでも返しもありました。ですがそれ以上にノルアードが何もしなさすぎました。結局のところノルアードはリズベルルの事を考えてはいましたけど何も行動には移しませんでした。周りから叱咤されてようやくジャルバンへ婚約破棄をお伺いするべくリズベルルを婚約者の振りで誘おうとして、それも結局はレイルのカミングアウトで有耶無耶になりました。ハッキリ言ってカッコよくない!これで本当に剣主として大丈夫なのか?とすら思いましたね。まあその甘甘なところもまたノルアードの魅力ですけどね。リズベルルも言ってましたが、人の魅力って一面だけでは見えませんからね。真剣なところもヘタレなところも全てノルアードの魅力。それが分かっているから何も心配はありません。

 そして一連の騒動の関係で消えたヴィルフォーナ。その事で失われたのはヴィルフォーナだけではなくリズベルルに加えジンの自分自身の存在意義でした。突然エンダージェンにやってきたジンを救ったのはリズベルルとヴィルフォーナです。彼にとって決して失いたくない存在であり自分の存在意義そのものでした。それを失ったとき、どれだけ自分がヴィルフォーナに依存しており頼っていたかを知ったんですね。ですがジンは1つ分かっていない事がありました。それはジンの人柄もまた皆に支持されており掛け替えのない魅力であるという事です。シズマが「不抜けたお前にあえて問おう、ジン。お前は何者だ。」「魔としてのお前こそが、その価値だ。」と言ってました。彼はヴィルフォーナではなくジン本人が大切なのだと言っていたのです。この言葉でジンもまた自分の目的を思い出し存在意義を取り戻しました。ヴィルフォーナの損失は、リズベルルとジンに改めて自己を愛する事の大切さを思い出させてくれたんですね。

 振り返れば本当に茶番と言っても言い過ぎではなかったエピソードでした。その分肩の力を抜いて気楽に読むことが出来ました。とりあえずどんな風に元鞘に収まるのか、それだけを気にして読んでました。そしてやっぱりリズベルルは可愛いですね。個人的に好きだったのは、ノルアードに全開で嫉妬をぶつけていた時の「かじるよっ!」とその後誤解が解けてお酒を飲んでいる時の「かじかじしたいっ!」のギャップですね。リズベルルって、感情が爆発すると口で愛情表現したくなるんですね!まるで子供!でもそれこそがリズベルルの魅力ですね。すごく可愛かったです。この後も2人はどうせ些細な事で喧嘩するのでしょうけど、それこそジンの様に微笑ましく見守ろうと思います。

 そして物語の核心部分は大きく前進しました。シズマはいよいよオリンやエルデイルといった導く者と接触し、その目的を共有しました。そしてオウカを始めとした王の使者が集まりだしました。いよいよほんとうの戦いが迫ってますね。切っ掛けはプランシューネの予言でした。それを仮面の使者が伝え回りました。全ての登場人物の行動に意味があり無駄になってなかったんですね。くじらを求めニールギガスを完成させたグレンもまた、黒き獣の災厄に立ち向かう戦士ですね。あの黒水に突入しても耐え切れる耐圧装甲は絶対に必要になります。エイフォンが注目している封印球、竜のコンパス、月のコンパスの在処も分かりました。残りはディエナ写本であり、これが揃ったら戦いが始まる気がします。長かった物語もいよいよ完結編です。最大ボリュームという事でどのような結末になるのか。楽しみにしましょう。


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