M.M 涼宮ハルヒシリーズ インプレッション


9、涼宮ハルヒの分裂

2008/2/9更新


 …本当に分裂しやがったぜ。何がって、それは涼宮ハルヒの全てがですよ。と言う訳で、「涼宮ハルヒの分裂」の感想です。

 なんと言いますか、この分裂を読み終わりますと今までの涼宮ハルヒシリーズが全て壮大な序章のようなものに感じてしまいますよ。どんなピンチが訪れても、どんな事件が起こっても、結局は全て涼宮ハルヒのしわざの一言で片付いたのに、ついにその涼宮ハルヒの対に当たるキャラクターが登場した訳ですからね。

 なんと言いますか、まさに超展開と言う言葉が適当なのではないでしょうか。今までにも長門有希・朝比奈みくる・古泉一樹と対立する組織が出てきましたが、彼らも結局のところ涼宮ハルヒに振り回されているものとばかり思っていました。それがまさか、「佐々木」という新たなキャラクターをトップとするものだった訳ですからね。

 それにしても、そんな中でもキョンはやはり見事なまでの中立の立場を取り続けているのですね。中学まではずっと「佐々木」と行動を共にしていたのに、高校に入ってからは今度は「涼宮ハルヒ」ですよ。この辺りの対比を見ても、どうやら本当に佐々木と涼宮ハルヒは吊り合う関係のようですね。

 それにしても、どうしてこうもキョンはこういった厄介事に巻きこまれるのでしょうかね。まさかキョンが両方の組織の橋渡し的な立場に位置する事になるとは思いませんでした。初めて読んだ時はてっきり「佐々木」と「キョン」が吊り合う関係と思っていましたからね。

 そして、やはり分裂の名を冠する所以は、組織の分裂に合わせてシナリオも分裂した事ですね。βはまだいいです。いかにも第二章からの続きといった感じです。ですが、αはいったい何なのでしょうね。この対立する組織でも十分に面白い展開なのに、また新たなキャラクターの登場ですよ。そして彼女はまだ正式に名前も姿さえも現れていません。もう何が何だかって感じですね。

 そして、この分裂の最大の謎は、実は「佐々木」ではなくαに出てきた謎の少女なのではないでしょうか。とりあえずは名前だけの登場ですが、わざわざシナリオを分裂させてまでの登場です。どうやらまたキョンとの絡みもあるようですし、確実に今後のSOS団の活動に影響を与えることでしょうね。まあ、基本的に唐突過ぎるので何が何だかよく分かってないのが本音ですけどね。

 まあ、この謎の少女がこの分裂したシナリオに大きく関係している事は間違いなさそうです。理由は、まだシナリオが分裂する前にキョンが「新一年生が入団したのは半分正解半分間違い」と言っていた事です。この事はつまり、キョンは分裂した世界を最終的に認知するという事を意味しています。あえてこういうフレーズを残す辺り、確実にこの謎の少女が分裂に関わっていると断言出来るでしょう。

 まあ、この少女はほぼ確実にαでSOS団に入団しようとしている新一年生の一人でしょうね。どうやらキョンの後輩らしいですし、一人だけ明らかに目立つ書き方をしていましたからね。そして、SOS団に入団する奴にまともな奴はいません。出来るなら、このままずっと卒業までSOS団にいてもらいたいですね。

 結論としては、次の驚愕が出るまでは何とも言えないという事ですね。分裂では、さあこれから盛り上がるぞってところで終わってしまいましたからね。これなら確かにハルヒ難民が出るのも納得ですね。私も晴れてハルヒ難民の仲間入りです。せいぜい長い間驚愕を待ちつづけようと思います。

 結論としては、何だかんだ言ってキョンの周りには色々おかしな輩が集まってくると言う事ですね。この世界で最も異質な存在は、もしかしたらキョンなのかもしれませんね。とりあえず驚愕が出るまで何も分かりませんので、たまには分裂を見返しながらノンビリ待とうと思います。

 …それでは今回はこの辺で。


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