M.M よくわかる現代魔法 インプレッション


6、よくわかる現代魔法 6

2010/1/5更新


 さて、魔女のライブラリ編が完結した事でここからは何やら短編集的な装いに変わった気がします。という訳で「よくわかる現代魔法6 Firefox!」の感想です。

 今回の話はタイトル通り「Firefox」の話です。といってももちろん現実のfirefoxではなく異世界の魔物であるファイヤーフォックスです。突如こよみの前に現れたこの魔物によって、こよみは自分のなりたい姿と現実との葛藤を行う事になる訳です。

 ファイヤーフォックス(通称プー)は異世界の魔物、それもあらゆるコードを食べてそれを吐き出すだけの魔物です。それがゆえに、プーにはあらゆる魔法が効きません。なぜならあらゆるコードを食べるので、自分に掛けられる魔法のコードも食べてしまうのです。それがゆえに、プーを魔法で元の世界に返す事は叶いません。それでもプー自体にそれ程悪影響をもたらす要素があるとは思ってなかったので何となしにそのままにしていました。

 それにしても、こよみは実はちゃんと普通の魔法のコードも組めたんですね。それがこのプーのおかげで明らかになりました。という事は、常日頃から自分はたらいの魔法しか使えないと嘆いていてそれでも普通の魔法を使おうと努力していたこよみですから、もしかしたらこのたらいに変換する魔法が無くなれば超一流の魔法使いになれるかも知れませんね。まあ、その後プーの力を借りてあらゆる魔法を試した結果を見ると、それもまだまだ先の話ですけど。

 というよりも、そんなにうまくこよみが普通の魔法を使えるようになるはずがないのです。そもそもプーがそんなに都合の良い魔物のはずがありませんでした。あらゆるコードを食べるプー、それは同時にあらゆるものに対して食べたコードを吐き出す能力を持っていました。しかもそれは、こよみの得意とする全てのコードをたらいに変換するコードです。これにプーの能力が加われば、確かに世界をたらいだらけにする事も出来てしまった訳ですね。

 ここでこよみも覚悟を決める訳ですね。知らなかったとはいえ、こよみは自分の魔法の為に世界をたらいだらけにしようとしていた訳ですからね。そして、プーを返す事は普通の魔法が使えなくなるだけでなくプーともサヨナラしなければいけなくなるということですからね。折角のパートナーであり折角の魔法です。やっぱり少しは迷いますよね。そんな、短編集ながらのこよみの葛藤と覚悟を見る事の出来た一巻でした。

 そして、そんな中にちゃんと伏線も張ってましたね。弓子の前に現れたリーヴァイ・マクレリィという男、こよみの前にまたしても表れた男、弓子の能力、今後どういう流れになるか分かりませんが、とりあえず続編に期待です。


←よくわかる現代魔法 5へ




→雑記
→Main