M.M 幽霊少女室 夏雨




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
4 7 - A 〜1 2019/11/4
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 この「幽霊少女室 夏雨」は、先に発売された「幽霊少女室」の後日談となっております。その為レビューには「幽霊少女室」を含めたネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は注意して下さい。

「幽霊少女室」のレビューはこちら

※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。


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以下はネタバレです。見たくない方は注意して下さい。





















































































<何だかんだありましたが、結局はちゃんと元の鞘に収まってくれました。>

 極度の人見知りで大学生活に馴染めない女の子の寺生稀とそんな稀が住んでいた白山荘というオンボロアパートに取り憑いていた寂しがり屋でツンデレな女の子の幽霊である古崎ゆいか、その2人が織りなす笑い合いシリアスありほのぼのありな物語を展開してくれた幽霊少女室の後日談が今回レビューしている「幽霊少女室 夏雨」です。またこの2人の緩くほのぼのした掛け合いが見れるのを楽しみにプレイし始めました。

 白山荘が燃えて色々な因縁が全て片付いたはずなのに、未だに稀とゆいかは一緒に住んでおりました。加えてゆいかは幽霊のゆいかと人間のゆいかが両方存在するという非常に不安定な状態です。それでも、季節は廻り夏を迎えておりました。そこには、相変わらずコミュ障で大学生活に馴染めない稀と、そんな稀のあれやこれやといった様子を妄想するゆいかがいるだけでした。しとしとと降る雨の下で、いつもの日常が展開されておりました。このまま当たり前の日常が続くだけの後日談なのかと思いましたが、最後の最後でお互いに1つの答えを見つける事が出来ました。

 物語が進んでいくにつれて、幽霊のゆいかの姿が透けていく様子に気付きました。もしかして、いよいよゆいかも居なくなるのかなと思いました。だからこそ、バイトを始めた稀に対して笑顔で送り出すようになったのだと思います。稀も稀で、人間のゆいかと関わりを持ってました。家庭教師を行う代わりにテレビとDVDプレイヤーを貰う関係になってました。変わらないように見えて少しずつですけど変化していくように見えた稀とゆいか、だからこそこれは2人がいよいよ離れ離れになる良い機会だなとゆいかは思ったのだと思います。本当は嫌だけど、別れようと決意を固めたはずでした。

 ですけど、そこは流石の稀ですね。アッサリと人間のゆいかではなく幽霊のゆいかが良いと言ってくれました。普通に考えれば人間のゆいかと仲良くしていく方が良いに決まってます。唯でさえコミュ障なのですから、人間のゆいかを通して少しでも社会と関わりと持った方が稀の為になると思います。ですけど、結局はそんな世間体ですとか世の中の考えはあまり意味がありませんでした。単純に、今稀が誰と一緒に居たいのかの答えが幽霊のゆいかだったという事です。そんな、あまりにも素直過ぎる稀の言葉に確かに幽霊のゆいかは救われたのではないかと思います。

 何だかんだ言って一番の寂しがり屋は幽霊のゆいかですからね。寝ても覚めても考える事は稀の事ばかりです。あの警察沙汰とかテレビとかの妄想は流石ですね。一日中ずっとあんな事ばかり考えていて、よくもまあ別れる決意をしたものですよ。ですけど、それもまた暫くはお預けみたいですね。何しろ、稀が幽霊のゆいかが傍にいる事を望んでいて幽霊のゆいかもまた稀の傍にいる事を望んでいるのですから。赤い傘から始まるかと思った稀と幽霊のゆいかの別れ、ですけどその心配も無くなりましたのでもう赤い傘も必要なくなりました。止まない雨はありませんからね。ようやく、2人に降っていた雨も止んでくれたんですね。そんな、やはりほのぼのとした2人の日常を楽しませて頂きました。ありがとうございました。


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