M.M 赤ノ反照-戒-
この「赤ノ反照-戒-」は先に発売された「赤ノ反照」の続編となっております。その為レビューには「赤ノ反照」を含めたネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。
・「赤ノ反照」のレビューはこちら
※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。
以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。
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シナリオ | BGM | 主題歌 | 総合 | プレイ時間 | 公開年月日 |
7 | 7 | 4 | 77 | 2〜3 | 2017/6/18 |
作品ページ | サークルページ |
<出来ない約束はしない事。たとえ悪気がなくても、それは悪い事です。>
前作である「赤ノ反照」のレビューでも書きましたけど、まさかここまで和真が「鈍感」であり「無責任」だとは思いませんでした。確かに和真と亜沙奈・美華夏・凛の3人の間には何も誓約も約束もありません。言ってしまえば、ヒロイン3人が勝手に勘違いしただけであり思い込みが激しかっただけです。それでも和真の事を好きな彼女たちがまさか自分以外の女の子の手助けを間接的にしていたと知ったら、それは嫉妬の炎も燃え上がるという物です。ですがそこを差し引いても、最終的に和真が懲役刑を受ける結末は避けられなかったのではないかと思っております。
望まれない形で生まれてしまい、両親の愛情どころか父親からの暴力を受け続けた美華夏。彼女に信じられるものは何もなく、全て自分の力で解決して生き延びていく道を選んでおりました。ですが、そんな彼女が一番見られてはいけない部分を和真見られてから状況は変わってました。男子生徒から揺さぶられたところを助けてくれた和真、アルバイト禁止の高校でバレないバイト先を見つけてくれた和真、父親からの暴力を守ってくれた和真、そして「努力した結果のみかげが好き、生まれてきてくれて、ありがとう!」と言ってくれた和真。一人孤独で生きてきた美華夏です。これだけ尽くされて好きにならない筈がありませんね。ただ不幸なのは、和真が純粋に善意で行っていた行動だったという事と、最後のキスシーンを亜沙奈に見られていた事でした。
最愛の母親であり世界的なヴァイオリニストであるマヤ・アウリンを失ってしまった凛。新しいお母さんと上手く馴染めず、大好きだったヴァイオリンを手放す事になってしまいました。それでも家の為に優等生を演じていた凛、そんな凛の閉じた心を溶かしてくれたのが和真でした。何も知識がないのに凛の為に一生懸命ヴァイオリンを勉強した和真、音楽室が使えなくなったので代わりの教室を用意してくれた和真、黒森佳奈恵の妨害を防いだだけではなく彼女の心の悩みも聞き出し仲直りさせた和真、そして最後凛をお祭りに連れ出し凛が楽しい気持ちになってくれるよう尽くした和真。これだけ尽くしてくれれば好きになるのは当たり前ですね。凛の告白に応じた和真はそのまま凛と付き合うことになり、そのまま幸せになるはずでした。ただ不幸なのは、その様子を美華夏に見られていた事と、妹の玲が凛の事を性的に好きだった事でした。
ここまで書けば、実は和真は何も悪くないんじゃないかと思うかもしれません。ですがそういう話ではないんですね。和真の行動を見てて思いました。ああ、和真はきっと発達障害なんだと。何故なら、和真は今目の前の事に集中すると余りにも周りが見えなくなるからです。宿題をしょっちゅう忘れる、授業中直ぐに居眠りをしてしまう、部屋を片付けられない、人との約束を直ぐに忘れる。これらの行動は発達障害の典型的な事例であり、和真が決して悪意を持っているわけではない事が分かります。ですが、それはあくまで和真の視点でありプレイヤーの視点です。3人のヒロインにとっては、和真の側にいる女の子は皆悪者だったんですね。悪意ではないのです。ただ、余りにもヒロインの境遇が酷くてそしてそれをヒーローの様に救った和真が眩しかったんです。
それでも美華夏とお祭りに行く約束をしておきながらそれを忘れて凛とお祭りに行く行為は許せるものではありませんね。この行動は流石に同情の余地はありませんでした。あと、和真はヒロインに対して「何でも約束を叶える」と言い過ぎです。言葉の重みを考えておりません。まあ、同じ約束を他のヒロインにした事すら忘れているのかも知れませんけどね。できない約束はしてはいけないのです。例え和真に悪気がなくても、これは悪い事です。「鈍感」であり「無責任」、その繰り返しが今回の悲劇に繋がったのだと思います。やはり、全てを精算するのはヒロイン達ではなく和真自身の言葉しかありませんね。
最後、玲が死んでしまってから逮捕されるまでの裏側も公開されました。純粋だった凛はその純粋さ故に玲を恨み、その気持ちもプラスされて亜沙奈を倍憎んでしまったんですね。和真が釈放されてから真っ先に亜沙奈を殺した理由もわかりました。あと分からないのは、亜沙奈が何故ここまで和真に執心しているかですね。美華夏と凛の出会いは全て分かりました。残りは亜沙奈の過去です。これも続編で語られるみたいですので早速プレイしてみようと思います。事件の真相は分かりました。ここからは未来へ向けての話です。ヤンデレの物語の結末は何処へ向かうのか。最後まで楽しもうと思います。