M.M MYTH -After the Stories-
シナリオ | BGM | 主題歌 | 総合 | プレイ時間 | 公開年月日 |
6 | 7 | - | B | 〜1 | 2018/11/16 |
作品ページ(なし) | サークルページ(R-18注意) |
この「MYTH -After the Stories-」は本作である「MYTH」の続編となっております。その為レビューには「MYTH」のネタバレが含まれておりますので、ネタバレを視たくない方はご遠慮下さい。またネタバレ無しのレビューについても「MYTH」のレビューを参照下さい
・「MYTH」のレビューはこちら
※このレビューには「MYTH」のネタバレありしかありません。本作をプレイした方のみサポートしております。
以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。
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<「MYTH」で伝えたかった生きていたいという気持ち、それがまるで現実世界で体現されたかのような気持ちになりました。>
滅びゆく地球の中で、それでも生きていたいという想いが作り出した「MYTH」と言う名の装置を巡る夢の物語。その「MYTH」が、今年発売されて10周年を迎えたという事でそれを記念して頒布されたのが今作「MYTH -After the Stories-」です。切っ掛けは、C94でユリイス氏が企画された「MYTH10周年記念本『MYTHology』」でした。MYTHという作品は、プレイされた皆さんならご存知だと思いますが非常に難解であり読み応えのある作品です。考察する事に重きを置いた独特の世界観は、必ずしもメジャーヒットしたとは言い難いですが確実にプレイヤーの心をつかみ取っていると思っております。発売から10年経過してこのような記念本が製作されたのが何よりの証拠です。そんな10周年に合わせて制作された「MYTH -After the Stories-」です。往年のファンの方は勿論、私の様な最近「MYTH」をプレイされた方も歓喜した事と思います。
内容ですが、「MYTH」の中で生きてきた登場人物のちょっとしたアフターシナリオが書き下ろされております。それぞれ10分程度の物語が3本収録されており、MYTHの中で今後どのように生きていくのかを伺う事が出来ます。他には、Circletempoさんらしいなぞなぞものが2つ収録されております。純粋ななぞなぞです。解けなくても特に問題ありませんが、解ければきっと良い事が待っていると思います。ちなみに自分は解けました。難易度は良く分かりませんが、自分程度がちょっと考えて解けたくらいのレベルですのでそれ程難しくは無いかなと思っております。是非皆さんも当ててみて下さい。
そして最後にはCircletempoさんの代表であるナカオボウシ氏のあとがきが掲載されております。そこで書かれていたのは、当時「MYTH」を制作するにあたっての熱い想いとそこから10年経過しての振り返りでした。2008年と言えば、それこそ月姫やひぐらしのなく頃にといった有名な同人ビジュアルノベルが世の中に広まり、様々にメディアミックスされた年です。同人ビジュアルノベルがアニメ化されたりコンシューマ化される、その事実は沢山の創作者の希望と目標になった事と思います。ナカオボウシ氏も、当時はそのような作品の後に続きたいという気持ちを持っておりました。ですが、そこまでのメジャーヒットにはなりませんでした。そんな、中々言葉にはし辛いと想像できる赤裸々なテキストに思わず唸ってしまいました。
それでも、確実に「MYTH」という作品はプレイヤーの心に残っております。上でも書いておりますが、その証拠がこの「MYTH -After the Stories-」の発表です。「MYTH」という作品が伝えたかった事、それを受け取ったプレイヤーの方々が口伝えに、そしてネット上で伝えてくれた物が10年経っても色褪せていない証拠でした。私としても、10年経過してもなお根強い人気を誇っている本作品は大事に扱っており、自分の「500本目のレビュー作品」として選ばせて頂きました。物語の魅力や力というものは年月が経っても決して色あせる事は無い、物語を通して製作者が伝えたいテーマもまた色あせない、それを確かに感じる事が出来ました。
「MYTH -After the Stories-」の中で、それぞれのキャラクターは自分の大切な人と共に永遠に死ぬまで生きていく事を決意しておりました。その決意に夢も現実も関係ありません。そして、それはこの「MYTH」という作品そのものも同じなのかなと思いました。正直な話、私は「MYTH」という作品について隅から隅まで理解しておりません。壮大過ぎる世界観を、体系的に整理すら出来ていないと思います。そういう意味で、「MYTH -After the Stories-」の中で彼らが決意した事の重みを、本当の意味で理解するにはまだまだ時間が必要なのだと思っております。そんな感じで、世の中に出た作品は死ぬまでその人の心に生き続けるのだと思います。作品がプレイヤーの心によって再生した、そんな素敵なある種の物語を楽しませて頂きました。Circletempoさんを始め、MYTH10周年記念本に関わった皆さん、本当にお疲れさまでした。