M.M 滅び朽ちる世界に追憶の花束を 〜present for you〜
| シナリオ | BGM | 主題歌 | 総合 | プレイ時間 | 公開年月日 |
| 10 | 9 | - | A | 1〜2 | 2018/11/16 |
| 作品ページ（なし） | サークルページ（なし） | ||||
この「滅び朽ちる世界に追憶の花束を 〜present for you〜」は本作である「滅び朽ちる世界に追憶の花束を」の続編となっております。その為レビューには「滅び朽ちる世界に追憶の花束を」のネタバレが含まれておりますので、ネタバレを視たくない方はご遠慮下さい。またネタバレ無しのレビューについても「滅び朽ちる世界に追憶の花束を」のレビューを参照下さい
・「滅び朽ちる世界に追憶の花束を」のレビューはこちら
※このレビューには「滅び朽ちる世界に追憶の花束を」のネタバレありしかありません。本作をプレイした方のみサポートしております。
以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。
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＜日々の行動がきっとどこかの誰かに伝わったらいいなと、そう思う事にしましょう。＞
8つの時代を巡り8つの花に纏わる物語を辿る超大作「滅び朽ちる世界に追憶の花束を（以下滅花）」の後日談が、今回レビューしている「滅び朽ちる世界に追憶の花束を 〜present for you〜（以下pfy）」です。幸福感や人生観というものを真っ直ぐに描いたシナリオの中で、確かに存在していた登場人物に追憶の花束を捧げる、それを達成する為に私も長い時間を掛けました。それだけ壮大でスケールの大きい作品でしたし、多くの方にプレイ知て欲しい内容だったと思っております。そんな滅花に後日談があるという事で、これ以上何を語るのか非常に楽しみに、同時に戦慄しながらプレイし始めました。
滅花をプレイされた方の中には、8つの物語の関係性が整理されていない方もいると思います。まずはその部分をpfyで良く解説してくれました。具体的には、出会うはずがない8つの時代の登場人物が一堂に会するのです。これはテンション上がりましたね。あいつとあいつは確か親子だったよな、あいつとあいつは確か先輩と後輩だったよな、私もそれなりに人物相関図と時代背景は把握しているつもりでしたが、ここでちゃんと明確に答えを提示してくれて嬉しかったです。そして、彼らが絡むとこうなるんだなと面白おかしく読ませて頂きました。そして、見事に8つの時代は繋がっていたんだなという事が分かりました。
私は滅花で言いたかった事を「どんな人のどんな行動にも意味があり、それら1つ1つが確かにこの世界の歴史を作っている」と解釈しました。そしてそれはpfyで語られていた事と沿っておりました。永遠の愛とは何か、それはこの想いがずっと続いて欲しいと願う心でした。その人その人にとって、幸福だったり不幸だったりと人生の総括はあると思います。ですが、どんな人生にも意味はありそれが後世に伝わっておりました。個人的に好きだった台詞は蒼子の「孫に会いたいから、このままでいい」ですね。自分の想いよりも、未来の彼らを選らんだ決断に感動しました。そんな1人1人の小さな積み重ね、刹那の行動が永遠を作っている事が分かりました。
そして滅花のタイトル画面に登場した謎の少女、その正体はアンドロイドであり死ぬ事が許されない少女「花子」でした。8つの時代の8つの物語、そしてそれ以上に多くの物語を経て、最後滅びゆく地球に残される存在なのです。彼女に課せられた使命は途方もないものでした。彼らの想いを聴き覚え、居ないかも知れない未来の人に伝える事です。どれだけ重いものを背負わせるのでしょうね。花子はどう思っているのでしょうね。達成出来る保障なんてない、いやむしろ達成できない可能性の方が圧倒的に高い、孤独で寂しくて報われない役割を担ってしまいました。
ですが、それこそが未黄がたった1人残されてたどり着いた決断だったのです。過去映写機で知った沢山の人々の想い、それを自分自身が未来に残す事は難しいと悟ったのだと思います。それでも、この地球を愛している未黄にこの難題を達成できないという事はありませんでした。彼女は残された科学技術を用いて花子を作りました。そして彼女に全てを語りました。これで、次のバトンは繋がりました。この先どうなるかなんて誰にも分かりません。もしかしたらマゼンタは知っているのかも知れませんけど、それを語る事に意味はありません。ただ、未来を信じてこの地球を愛して繋げていくだけですね。
理想の世界を求めてタイムマシンを使った蒔元くん。最果てにたどり着き、自分が生きていた一瞬一瞬が大切だったことに気付きました。そして、気付いた時にはもう何もない世界についてしまってました。ですが、そんな世界にも花畑はあったんですね。蒔元くんの声は確かに花子に届きました。花子の想いは確かに蒔元くんに伝わりました。こうやって、きっとまた新しい誰かに伝わるのだと思います。後はそれを信じるだけです。私も、自分の日々の行動がきっとどこかの誰かに伝わったらいいなと、そう思う事にしようと思いました。滅花の最後に相応しいエピソードでした。楽しかったです。ありがとうございました。