M.M ボクはともだち。ファンディスク 〜閑話、それから〜




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
2 6 - C 1〜2 2016/1/9
作品ページ(R-18注意) サークルページ



 この「ボクはともだち。ファンディスク 〜閑話、それから〜」は先に発売された「ボクはともだち。I am not sweetheart.」のファンディスクとなっております。その為レビューには「ボクはともだち。I am not sweetheart.」を含めたネタバレが含まれておりますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。

「ボクはともだち。I am not sweetheart.」のレビューはこちら

※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。





















































































<彼女たちが掴み取った幸せ。後はそれが続いてくれることを祈るのみですね。>

 非常にマッタリとしたファンディスクでした。各ヒロインの魅力はそのままに、達也とのその後の慎ましい幸せな時間が描かれておりました。それぞれのヒロインに目的があり、その目的達成のために達也と2人で進んでいく過程がホノボノしてて嬉しくなりましたね。

 改めて振り返れば、今作のヒロインは4人とも都合良く別々の「属性」が与えられておりました。命は不思議系病弱ロリ、隣子はツンデレ系メガネっ子貧乳、那波は元気系妹巨乳、そして綾乃は幼馴染系素直巨乳、まさに現代のビジュアルノベルを代表するヒロイン像です。普通に考えればこんな属性を持った女の子はいません。こんなヒロイン像はビジュアルノベルの世界だからこそ許された存在なのです。何が言いたのかといいますと、この”主人公”と”ヒロイン”と”友達”というビジュアルノベルのメタ的設定を扱いその枠組みから脱出しようというシナリオの本作においても、このヒロインの属性という枠を超える事が出来なかったのです。

 ですが、そんな属性を与えられたヒロイン達がそれぞれの立場で達也と一般的な幸せを手にしようというのがこのファンディスクの姿でした。命はこれまで悲しいことが多かったからやりたい事をこなして人並み以上の幸せになろうとしました。隣子は世話焼きババアとして普通ではない生活をしておりましたので素直に普通のヒロイン像を目指しておりました。那波は今まで作ってきたキャラクターを捨てて達也を好きになっていく努力を始めておりました、そして綾乃は今までの境遇をバネにして尚も幸せを続けようと行動しておりました。大切なのは誰もが達也との幸せを求めているという事。そこに属性が入り込む余地は殆どありませんでした。この属性はこうあるべきといった枠組みが意味を失ったのです。

 幸せのカタチは人ぞれぞれです。それはビジュアルノベルだけではなく現実世界でも同様です。そんなものは属性などによって記号化されるものではなく、全員がそれぞれ違う幸せのカタチを持つべきです。今回4人のヒロインはそれぞれ今まで自分達に課せられた属性という殻を破って純粋に達也との幸せを求めていきました。そしてその求める幸せが見えた段階でこのファンディスクは終わっております。ではその先は果たしてどうなっているのでしょうか。それはもう皆さんのご想像通りとなります。少なくとも、私を始めプレイヤーに簡単に想像される幸せではないはずです。何故ならこれらは彼女たちが掴み取った幸せなのですから。後は全て彼ら彼女らの努力次第。私たちに出来ることは、その幸せが形を変えてでも続いてくれる事を祈るのみですね。ありがとうございました。


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