M.M レビューを書く理由


 このページでは、私が何故ビジュアルノベルのレビューを書くようになったかについて記しております。レビューを書く理由だけではなく、このHPを開設する切っ掛けやこれまでHPを運営してきての振り返りも合わせて行っておりますので、興味があればご覧になって下さい。



・ビジュアルノベルと、レビューサイトとの出会い。


 私が初めて読んだビジュアルノベルは、CIRCUSというブランドが2002年に発表した「D.C.〜ダ・カーポ〜」でした。いわゆる美少女ゲームと呼ばれるものでしたが、こういった「文章+絵+音」で表現された物語を読むのも面白いなと朧げながら思ったものでした。その後同ブランドの「水夏〜suika〜」という作品をプレイして、私の人生は半ば決まったようなものでした。そして「水夏〜suika〜」とウェブ検索して、実に多くの方がレビューというものを書いている事を知りました。その種類は、単純に批評しているもの、細かく点数化しているもの、プレイ日記の形式を取っているもの、架空の人物に会話形式で行っているもの、攻略情報を載せているもの、と様々でした。とにかくレビューサイトの数が多かったのです。同じ作品に対してこれだけの人がレビューという形で想いをぶつけている、その熱意に圧倒された事が強く記憶に残っておりました。


・HPを開設する切っ掛け。


 その後年数が経っていく中で、誰もがパソコンを持つようになり個人で簡単にHPを作れるようになってきました。高校生までまともにPCを触ってこなかった私ですが、大学生になり自分のPCを持ち出来る事が広がってきて、友達と一緒に「HPっていうのを作ってみようぜ!」っていうノリになりました。実を言いますと、HPを作ってみようと思うかなり前からレビューを書いてみたいとは思っておりました。世の中にある沢山のレビューサイトを見ていく中で、自分もあれらの真似をしてみたいと思っていたのだと思います。ゲームレビューのページをご覧になればわかりますが、一番右の公開年月日で2006/5/17がやたらと多いのはこの日にHPを開設したという事です。その数40タイトル。今思えば、プレイしてから何年も経過しているタイトルのレビューをよく思い出しながら書けたなと思っております。とにかく「HPを開設するぞ!」っていう目標がありましたので、何としてもそれなりのネタを用意したいという想いがあったのかもしれません。


・作品をプレイし終わったらすぐにレビューを書き始める。


 私は基本的にレビューは作品をプレイし終わったら直ぐに書きます。これはHPを開設する為に過去にプレイした40タイトルのレビューを書いた時に気づいたのですが、私はプレイし終わった時の一番気持ちが高ぶっている時にテキストに残しておかないと納得感が得られないようです。内側から溢れ出る新鮮な気持ちが色褪せる前に書く、そしてその時に書いたテキストは日数が経過してからは再現できないものです。ご覧になっている方はわかるかと思いますが、私のレビューは基本的にネタバレありとネタバレなしの2段構成になっております(ちなみにネタバレなしとネタバレありの2段構成にして↓でスペースを作る構成は自分のオリジナルです)。そしてネタバレなしは原則として作品の紹介と批評が中心であり、ネタバレありはテーマに対する考察や感想が中心となっております。そして実はネタバレありのレビューの方を先に書き始めます。まずは自分の気持ちを外に吐き出す、それから改めて俯瞰してネタバレなしを書く。このスタイルが確立していきました。当時の私にとってレビューとは、自分の気持ちを外に吐き出す為の場所だったのです。


・過去のレビューを読んで「本当に自分が書いた文章なのか?」と思う時はよくある。


 たまに昔書いたレビューを読み返す時があります。自分で言うのもなんですが、正直な話「良い事書いてるな〜。」って感心する事がしょっちゅうあります。これも上で書いたことに関連しているのですが、レビューを書いているときは作品をプレイし終わった直後ですので、溢れ出るものがたくさんあるのだと思います。ですがその後年数が経ち改めて振り返ってみると、どうしても作品に対する気持ちが整理されてしまい心の声を書き出す事が難しくなります。もう、今の自分に過去に書いたレビューを再現することは出来ないのです。時には目を瞑りたくようなレビューもあったりするのですが、それも全てその時思った気持ちの表れですので決して削除したり修正したりしないですね。手を加えるとしたら追記だけです。昔書いたレビューに対して、改めて作品をプレイして加筆してみるのも良いかも知れませんね。


・同人ビジュアルノベルとの出会い。


 その後就職し関東に住むようになり、コミケを始めとした即売会によく顔を出すようになりました。今でこそ同人ビジュアルノベルの割合が多くなりましたし、もちろん即売会に顔を出す前からも同人ビジュアルノベルはプレイはしておりました。ですがその割合は小さく、加えて同人ビジュアルノベルと言っても同人ショップで売っているものや商業で有名なライターの方の作品ばかりでした。私が初めて島サークルの同人ビジュアルノベルをプレイする切っ掛けになったのは、C79でとあるサークルさんのスペースに置いてあった一枚のチラシを見た事でした。それはオリジナルの美少女同人ゲームサークルさんで有志の方が集まって作った情報誌でした。初めて島サークルを周り、世の中にはまだまだ知らないビジュアルノベルがあるんだなと興奮した事を覚えております。この頃から同人ビジュアルノベルの割合も多くなり、同時にレビューの本数も増え始めてきました。


・初めて頂いた御礼。


 それでもHPの運営の仕方は変わりませんでした。ただプレイする作品のジャンルや幅が変化しただけでした。そんな運営の仕方を変える切っ掛けになる出来事がありました。2012年12月18日に、私のHPを紹介して下さったサークルさんがいらっしゃいました。それから間もなくして2013年1月5日に、私のレビューをブログで記事にして下さったサークルさんがいらっしゃいました。2サークルさん共に気づいたのがほぼ同時期だったのですが、正直凄く驚きました。初めは冗談かと思いました。「えっ!?えっ!?」って何度も見返しました。自分はレビューを書いただけなのに、それに対してコメントを頂けるなんて夢にも思ってませんでした。その後凄く嬉しさが込上がってきました。ああ、自分のレビューも誰かの目に止まっていたんだ、読んでくれた方がいだんだと気づきました。そしてレビューに対して御礼を頂けるってこんなに嬉しいことなんだって気づきました。それから少しHPの運営の仕方を変えました。具体的には、作品をプレイしたらレビューを書くだけではなくサークルさんにお礼のメールを出すようにしました。自分がしてもらって嬉しい事は他の人にとっても嬉しいに違いない。そう思い作品をプレイさせて頂いた事へのお礼を綴るようにしました。この時から、製作者とプレイヤーとの繋がりを意識するようにしました。今はその形はメール・Twitterなど色々なパターンに分散しております。(ちなみに自分のHPやレビューを取り上げて下さった記事やページは全てブックマークして定期的に読み返してニヤニヤしてます。自分が見つけられた範囲でですけどね。)


・即売会に行く目的の変化。


 それからは同人ビジュアルノベルの割合が劇的に大きくなりました。作品を通して製作者とプレイヤーが感想を伝え合いお礼を言い合う、その空気感が好きになりました。同時に、即売会に行く目的も少しずつ変化していきました。昔はいわゆる壁サークルに並び有名どころの作品を手に入れたらそれでおしまいでした。ですが今はメールやTwitterだけで知り合ってきた人と直接お話する為に行くようになりました。もちろん買い物はしますけど、壁サークルに向かうという事はほとんどなくなりました。この頃からだいぶ即売会の見方が変わりましたね。今まで戦場だと思っていた会場は決してそんな事はありませんでした。むしろ製作者同士の同窓会の様な雰囲気が本当の姿でした。作品を通して製作者と交流する、これ程喜ばしい事はないということに気づきました。


・レビューを書く理由の変化。


 この頃から、私のレビューを書く理由に新しい要素が増えてきました。それは製作者に対して自分がどう思ったかを伝えたいという点、そして自分のレビューを通じて少しでも多くの人に作品が伝わって欲しいという点です。今までは唯自分の気持ちを吐き出す場所としての意味合いしかありませんでしたが、それが少し変化した瞬間でした。もちろん今でも自分の気持ちを吐き出す場所としての意味合いは変わりません。むしろ作品によっては、昔以上に酷く自分の気持ちを曝け出しているものもありますからね。それでも、読み手を意識するだけでやや雰囲気が変わったと思うようになりました。どんな作品にもテーマがあり、それを伝えるために作品がある。過去に書いた「点数のつけ方の基準」のコラムの通り、このレビューを書く基本軸は変わってません。ですが、文体や日本語の部分について気を使うようになりました。


・セルフチェックは書き終わって一日置いてから行う。


 最近はレビューを書き終えてから意識的にセルフチェックをするようにしております。どんなに立派なレビューを書いたとしても日本語が変だったり誤字があったりしたら台無しです。その為そうした部分を極力なくする様に意識するようになりました。これも読み手がいる事を意識したから行おうと思うようになったのだと思います。ですが、セルフチェックは直ぐに行わず一日置いてからするようにしております。これも上記の通りですが、私は作品をプレイし終わったら直ぐにレビューを書きます。そこには溢れ出る感情を込めたテキストがにじみ出ております。書き終えたら書き終えたで「書いたあああ!」って余韻に浸ってますのでまだまだ興奮しております。何が言いたいのかと言いますと、直ぐにセルフチェックしても効かないんですね。その為、一日置いて落ち着いてから改めてレビューを読み返します。すると出てくる出てくる文法の間違いや誤字。見つける度にこっそりと修正しております。


・セルフチェックしてもレビューの構成は変えない。


 ちなみに、セルフチェックで修正するのは文法と誤字のみです。レビューそのものの構成は変えません。これも上記の通りなのですが、レビューにはプレイした直後の溢れ出る思いがにじみ出ております。これを修正するという事は、その時の気持ちを消し去るという事です。そんな事、私には出来ません。落ち着いたレビュー、丁寧なレビューも十分魅力的だと思います。ですがそれ以上に気持ちのこもったレビューを大切にしております。どうしても修正したかったら、過去のレビューは一切消さず下に追記という形で書いております。ここ最近でも追記するパターンは割とありますね。レビューを書き終わって、一日置いて読み直してみたら何か違う。そんな小さな違和感があったら、それなりに悩んで結論が出たら追記するようにしております。


・結論…自分の気持ちを吐き出す場としてのレビューは変わらないが、読み手がいる事を忘れてはいけない。


 このHPも開設して12年目に突入しておりますが、根本的にレビューを書く理由は当初から変わっていないようです。それでもレビューを通じて多くの人と知り合い、また多くの作品と出会う事が出来ました。今となっては、即売会のみならずノベルゲーム部同人ゲームを見せ合う会のメンバーとも頻繁に会うようになりました。開設当初には考えられなかった事です。この繋がりは大切にしていきたいと思っておりますし、もっともっと輪を広げていきたいと思っております。自分が言いたい事を書き下ろせるように、作品のテーマを伝えられるように、製作者にメッセージが届くように、作品が多くの人に伝わるように、まだまだ発展途上ですがこれからもスタンスは変えず形式を変えながらレビューを続けていこうと思います。これからもM.Mの部屋をよろしくお願いします。


・お願い…誰か文章の校正をして頂けませんか?


 最後に図々しいお願いですが。誰かに自分のレビューのテキストを校正して欲しいと密かに思っております。もちろんセルフチェックでそれなりに間違いは修正できるのですが、一番意味があるのはセルフチェックではなく他人の目によるダブルチェックだと思っております。どうしても主観を消し去る事は出来ませんからね。全ての文章をしっかりと校正して欲しいという意味ではなく、2箇所でも1箇所でも間違いに気がついたらメールでもTwitterでも何でもいいのでコメントくれるだけで良いです。連絡をくれるだけで嬉しいですし、良く受け止めて修正致します。




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