M.M VAMP! BUMP!




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
2 5 - 47 〜1 2017/6/7
作品ページ サークルページ(作品ページと同じ)



<短いながらも登場人物の魅力がしっかり伝わり明るい雰囲気を楽しませて頂きました。>

 この「VAMP! BUMP!」という作品は、有志の集まりで作られたビジュアルノベルです。2016年3月26日、たんすかいさんというサークル(公式HPはこちらからどうぞ)の代表であるyosita氏により第10回同人ゲーム制作勉強会というイベントが開かれました。同人ゲーム制作勉強会はyosita氏が定期的に開催しているイベントであり、シナリオの組み立て方・キャラクターの立て方・広報や宣伝の仕方・スクリプトのつくり方など同人ビジュアルノベルに関わる要素についてテーマを決めて講義しているものです。第10回では私もゲストとしてお招き頂き、「ノベルゲームに求めるシステム周り」というタイトルで講演させて頂きました。当日は12人の方が参加され、勉強会やその後の交流会を含め非常に密度の濃い時間を過ごさせて頂きました。今回レビューしている「VAMP! BUMP!」は、この第10回に参加された方で有志の集まりで制作されたものです。勉強会を切っ掛けにしてこのような作品が世の中に出るという事に大変嬉しさを感じております。

 「VAMP! BUMP!」が初めて公開されたのはC90でした。勉強会が開催されたのは2016年の3月後半ですので、そこから約4ヶ月の期間で制作された事になります。C90では体験版の形でしたが、その後バージョンを上げていき今の形で完成となりました。元々勉強会で集まった有志の方での企画という事で、期間限定での活動だった様です。物語としてはまだまだ続く構想があったみたいですが、まずは一つの作品として完成できたという事がとても素晴らしく思います。実際にジャケットに写っている女の子は元気いっぱいで可愛いですし、この子がどのように動き回るのかは誰もが気にするところだと思います。元々体験版だったものですので、シナリオと言うよりも雰囲気やキャラクターがどのような空気感なのかを感じるように読んでみました。

 主人公である吉谷ソラオは、自分の夢と生活を己一人で成り立たせようと生活している苦学生です。昼はバイトしてお金を稼ぎ、夜は定時制の夜間学校に通い勉学を行っております。傍から見れば非常に大変な生活です。ですがそんな視線は吉谷ソラオにとって何も意味を成さないものです。確かに苦学生かも知れませんけど吉谷ソラオはそれなりに今の生活を楽しんでおりました。そんな前向きな姿に惹かれたのか、彼の前に突然無邪気なヴァンパイアがやってきたのです。名前は鈴木ティンダロス。子供のような見た目そのままに素直で元気いっぱいな彼女は、トラブルメーカーでありながら周囲の笑顔を作り出す存在でした。ティンダロスとお付のメイドである宝塚マリアと共に、コミカルでちょっと不思議な日常が幕を開けるのです。

 上でも書きましたが、この作品は体験版だったものが開発期間終了となり完成版となったものです。その為シナリオは彼らのコミカルな日常を紹介したところで終了しております。それでもティンダロスを始めとした登場人物のパーソナリティがよく光っており、楽しい気持ちになる事が出来ました。ティンダロスは底抜けに明るいバカであり、主人公の事が大好きです。そんなティンダロスに付き従うマリアは徹底的にティンダロスに服従であり、主人公の事が大嫌いです。そんな忙しい2人に囲まれた主人公ですが、ドタバタな日常をそれなりに楽しんでいる辺り迷惑はしていないようです。彼女たちが何者なのか、そしてこのドタバタな日常がどう変化していくのかを見れないのが大変残念です。それでも体験版としての掴みは十分で、しっかりとビジュアルノベルとしての魅力がありました。

 プレイ時間は私で40分でした。選択肢もなく、彼らのコミカルな日常が描かれてそのまま終わりという感じです。体験版で終わってしまいましたので、プレイヤーは今後彼らの生活がどうなるのか分かりません。ですが、作中吉谷ソラオが「分からないままで良いと思った」と言っている通り想像するだけで良いのかも知れません。未来が誰にも分からない分想像の数だけあるように、この物語も想像の数だけ存在するのです。今後この作品を作られた皆さんが、それぞれの創作活動で新しい作品を生み出してくれる事を祈りますね。楽しかったです。


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