M.M ソレヨリノ前奏詩




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
8 7 7 88 11〜13 2015/5/1
作品ページ(R-18注意) ブランドページ 通販



<美しい世界観の中で、登場人物達の心の在処とおっぱいの芸術性をとことん楽しみましょう>

 この「ソレヨリノ前奏詩」は「ef - a fairy tale of the two.」や「夏空のペルセウス」などで話題となった「minori」で制作されたビジュアルノベルです。minoriと言えばとにかく美しい背景描写と透き通るようなBGMが特徴だと思います。どの場面を切り取っても、まるで一枚の絵画のような背景は本当に芸術品のようです。そしてそんな美しい背景に合わせるようにBGMもピアノを中心とした透き通るものが多く、どの曲を聴いても心が洗われるようです。そして美しいのは背景とBGMだけではなく人物描写もです。特に最近はそのヒロインも巨乳という路線であり、おっぱいの書き方にはある種の情熱を感じますね。巨乳過ぎるのに決して下品ではない、本当に美術品のようなおっぱいは多くの人を虜にしたと思います。そんな他の企業が持っていない強力な個性を持つminoriの最新作がこの「ソレヨリノ前奏詩」であり、過去作と比べてもピカイチの仕上がりになっていると思いました。

 主人公である宮坂終は生まれつき人の感情が読めてしまう能力を持っておりました。ですがその能力は決して自分で制御することができず、楽しい感情も苦しい感情も全てあるがままに読んでしまいます。宮坂終にとってそんな能力は苦痛以外の何物でもなく、日常生活において出来るだけ人と関わらない生活を送っておりました。そんな宮坂終がある日いつものように学園に通うため電車に乗っているとき、感情だらけの空間に一箇所空っぽの空間がありました。そこにいたのはメインヒロインである姫野永遠、宮坂終は彼女に声をかけようとするのですが、「私の心には壁があるの。あなたには越えられない」と一蹴されてしまいます。感情を読める少年と心に壁のある少女、二人の出会いがこの夏の物語を作っていきます。

 最近のminoriの作品は「心」というものをテーマにした作品が多い気がします。特に最近のタイトルである「夏空のペルセウス」「12の月のイヴ」と今作である「ソレヨリノ前奏詩」の共通点として、主人公が特殊能力を使えるというものがあります。ですがその能力は決して良いことばかりではなく、むしろ能力を持っているが故に苦しめられる展開が描かれております。心とはそう簡単に読み取れるものではない、能力に頼っていては決して心の奥底にたどり着けない、むしろ能力を使わずに触れ合おうとすることこそ大切である。そのような事を訴えたいテキストであり、それこそプレイヤーの心にまっすぐ届けるようなシナリオが描かれております。是非美しい箱庭のような世界感に浸りながら、何も先入観を持たずにありのままテキストを読み進めて欲しいですね。

 そしてminoriと言えばやはりおっぱいは欠かすことが出来ません。これも「夏空のペルセウス」「12の月のイヴ」と共通ですね。全ヒロインが巨乳です。しかも普通の巨乳ではなく、現実には絶対にいないレベルの爆乳です。唯でさえ人形のような美しさを持ちややロリ系の表情を見せてくれるヒロインにこの爆乳が付けばもう何も言うことはありませんね。言ってしまえば、最高です。もうずっと見ていたくなる可愛さとエロさです。勿論Hシーンの数も豊富であり、その豊満な胸を惜しげもなく描いております。特に乳輪の大きさ、色、輝きは他の企業や同人には決して真似できないものであり、この描写こそヒロインを高尚なものへと昇華させております。日本が世界へ誇れる一級品のおっぱいです。正直シナリオなんて無視してこの巨乳ヒロイン達とのやり取りだけを楽しんでも全然アリだと思いますね。折角の巨乳です。これはこれで十二分に堪能しましょう。

 プレイ時間ですが私で12時間程度掛かりました。基本は一本道であり選択肢に迷うことはありません。相手の感情を読んでしまう主人公がどのように人との心の繋がりを作り上げていくのか、そしてその時ヒロイン達はどのような行動をとるのか、とにかくひたすらテキストに集中してそしておっぱいに集中して読み進めていって下さい。この作品、どの人物も大変個性豊かであり一人一人のキャラ立ちが激しいです。この点は過去作にはない魅力ですね。唯一張り合えるのは「夏空のペルセウス」の遠野恋くらいだと思っております。これまでminoriが培ってきた表現力の集大成とも呼べる本作、是非多くの人にプレイして欲しいですね。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。








































<もしかしたら心というものは理屈や言葉で紡ぐのではなく、人物の魅力で紡ぐのかも知れませんね。>

 ネタバレ無しでも少し書きましたが、正直なところ「夏空のペルセウス」の遠野恋以上に個性があり魅力的なヒロインはきっとこの先minoriでは生まれないんだろうなと思っておりました。それ程までに遠野恋の性格や存在感、そしてHシーンでの迫力は圧倒的であり、これが新生minoriの表現力なんだなと唸ったほどです。そんな私ですが、今作のヒロイン達は全員遠野恋に匹敵する魅力を持っており、中でもメインヒロインである姫野永遠は私の中で遠野恋と同格の存在として認知しました。

 姫野永遠の最大の魅力はプライドの高さだと思っております。心に壁が有り人の感情を読むことができない彼女、それでも決して自分の弱みを見せることなく気丈に振舞ってました。人によってはそれは痛々しいと思うかも知れませんが、私から見ればそれはとても美しく見えました。そして物語後半、隠し事に疲れて素直になり宮坂永遠となってもそのプライドの高さは変わりませんでした。今度は妻として本気で宮坂終を愛し、例え自分の心が消えてしまう運命でもやはり気丈に振る舞い決して終に弱みを見せませんでした。素直に感心に素直に美しいと思いました。彼女の存在はあるべきヒロインの1つの完成形なのではないかと思っております。感情に流される人の心に振り回されず孤高に生きる、そしてその行き方に後悔などしない、ここまで完成された存在は中々お目にかかることは出来ませんね。

 OPムービー直前、姫野永遠は宮坂終に呪いを掛けました。ですが本当に呪いが掛かったのは宮坂終ではなく我々プレイヤーだったのではないかと思います。宮坂終を運命の人と見とめ、その後彼氏彼女の関係となりセックスもしました。ですがその先に待っていたのは宮坂終を決して許さないという姫野永遠の固い決意、そして好きだけど嫌いだという宣言、これだ呪いではなく何だというのでしょう。この瞬間、私の中で姫野永遠は遠野恋と並んだんですねきっと。本当に気高いヒロインはその一言一挙動で全ての男を惑わすんですね。永遠に振り回され、そしてそんな永遠に決して負けじと食らいついた終の努力が実を結んだとき、それが物語の終わりの時でした。

 人の心というものはどうしたら分かるのでしょうか。エンパシーを持っていれば分かるのでしょうか。決してそんな事はありませんでした。大切な事は相手を信じること、そして相手も自分の事を信じているという事でした。一方通行ではいけませんでした。宮坂終は姫野永遠を救いたいと願いました。ですが姫野永遠が救われたいと願わない限り、彼女の心の壁は壊れることはありませんでした。お互いがお互いを求め、お互いがお互いを愛したとき、ようやくエンパシーから解放され心の壁は無くなりました。この結論にたどり着くまで本当に長い回り道をしましたね。本当、周りの人から見れば茶番にも見えたでしょう。そんなシンプルな答えにすら、聡い2人が気付かなかったのですから。

 ですが宮坂終と宮坂永遠が添い遂げられたのは2人の力だけではありませんでした。そこには2人を慕う友人たちの存在がありました。私はこの作品の中では姫野永遠が一番好きではありますが、他の登場人物全員が良いキャラしていると思っております。真響なんて、これ程健気で一途な幼馴染は中々いませんよ。どんな時でも宮坂終の味方であり、絶対に宮坂終を見捨てない母性のような優しさ、本当宮坂終は彼女に感謝しなければいけませんね。はるかの勢いももう有無を言わせない力がありましたね。あれだけ唯我独尊でありながら嫌味すら持たせないカリスマ性も中々いませんね。最後は嘘をつく自分と決別し宮坂終と添い遂げましたが、彼女の優位性は絶対に崩れませんね。そして個人的に一番衝撃的だったのが生徒会長のマキですね。何なんですかあのビッチ。普段真面目振っているのに頭の中はエロエロエロなんて、こんな変態も中々いませんよ。考えてみれば、この作品最初のHシーンはマキのオナニーでしたからね。彼女がこの「ソレヨリノ前奏詩」の扉を開いたのです。

 という訳で、気が付けばキャラクターの魅力についてずっと書いてしまいました。それ程までにこの作品の登場人物に魅力があり、他の作品では真似の出来ない個性が備わっていたという事だと思います。もしかしたら心というものは理屈や言葉で紡ぐのではなく、人物の魅力で紡ぐのかも知れませんね。宮坂終は本当に友達に恵まれました。彼ら彼女らでなければ、もしかしたら宮坂終はずっとエンパシーに囚われた人生だったかも知れません。彼ら彼女らの等身大の気持ちが、エンパシーから開放してくれたのですね。そんな魅力ある人物に助けられた宮坂終、今度か彼が世の中の人に恩返しをする時ですね。大丈夫です。すぐ隣には宮坂終を決して見捨てない心優しい人達がいるのですから。ありがとうございました。


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