M.M 俺たちに翼はない AfterStory


 この「俺たちに翼はない AfterStory」は前作である「俺たちに翼はない」のファンディスクとなっております。そのため、本編である「俺たちに翼はない」のネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。

・「俺たちに翼はない」のレビューはこちら

※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。


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<魅力あるキャラクターのコラボレーションが実現した夢のようなファンディスク>

 この「俺たちに翼はない AfterStory」は、上でも言いました通りNavalから発表された「俺たちに翼はない」のファンディスクです。本編である「俺たちに翼はない」は、とにかくその圧倒的な文章力とキャラクター性、そして解離性同一性障害という設定を非常にうまく盛り込んだシナリオで高評価を得た作品です。そのファンディスクである本作ですが、本編の魅力を損なわ本編以上にキャラクターの魅力を上げる内容となっておりました。

 OHPでも説明されてましたが、このファンディスクはあくまで本編の後日談となっております。そういう意味で基本的に各章の主人公とヒロインの甘いシナリオがメインです。ですが、それはつまりどの章でも主人公が解離性同一性障害である事を打ち明けそれを一人の人格に固定した後という設定ですので、人格の違う他の章のキャラクターとの絡みというものを全面に出すことは出来ませんでした。そういう意味でシナリオよりもむしろ各キャラクターとの絡みの方が実に新鮮であり、元々魅力あるキャラクター達がさらに輝いていた気がします。

 そしてまさにこのファンディスクの魅力はこの点に尽きると思います。本編をプレイした方なら、例えば2章の千歳鷲介が学校に通っていたらどうなるかとか、フレイムバーズの連中がアレキサンダーに来たらどうなるのかとか、ヨージ(幼少期)とアリスが出会ったらどんな会話になるのかとか、何らかの想像をしたのではないかと思います。今回のファンディスク、そういった想像の多くを実現してくれていた気がしました。そういう意味で、本当にこのファンディスクはヒロインとのその後の生活を楽しむというよりも各キャラクターとの絡みを楽しむ為に作られたと言い切ることが出来るかもしれません。

 他にもメインとなる4つのシナリオ以外にも数多くのサブシナリオが用意されていおり、トータルプレイ時間は決して長くはないのですが見所は非常に多いです。また、一部のキャラクターについては本編で明かされなかった設定が明るみになり、そういった新たな知識を持って再度本編をプレイするとなおキャラクターの魅力が増すかも知れません。

 もちろんシナリオは笑いだけではなく多少シリアス部分もあります。そして、そのシリアス部分で私の中でとあるヒロインの株が急上昇しました。このファンディスクでは本編で語って欲しかったシナリオの肝になる部分もしっかりと補完してくれています。私的にこのあたりは嬉しかった点であり、単純に笑いを求めるプレイヤー、シナリオの気になる部分を確かめたいプレイヤー、再びあのキャラクターに会いたいと思うプレイヤーなど、多くのファンの要望を満たしてくれると思います。

 最後になりますが、基本本編をプレイされて気に入った方なら少なからず満足していただけると思います。多少短めで値段の割に損したと感じる方もいるかも知れませんが、内容的に目を瞑る事が出来ると思います。オススメのファンディスクです。


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