M.M 再会したおねえちゃんに俺の秘密をにぎられました。
シナリオ | BGM | 主題歌 | 総合 | プレイ時間 | 公開年月日 |
6 | 6 | - | 70 | 1〜2 | 2019/11/6 |
作品ページ(R-18注意) | サークルページ(R-18注意) |
<おねショタだけではない、様々な要素が複合されている見どころが詰まった作品です。>
この「再会したおねえちゃんに俺の秘密をにぎられました。」という作品は、同人ゲームサークルである「bansan」で制作されたビジュアルノベルです。bansanさんの作品をプレイしたのは本作が初めてで、C96で同人ゲームの島サークルを回っている時に手に取らせて頂きました。とても分かり易いタイトルですね。いわゆるおねショタというジャンルです。パッケージには包容力のある女の子の姿が一面に描かれており、このジャンルが好きな方であれば誰もが飛びつくのではないでしょうか。ですが、パッケージの裏を見てどうやら唯のおねショタでは無さそうです。どのような物語が展開されるのか楽しみでプレイし始めました。
主人公である上山悠斗は、とある寒村に住んでいる少年です。幼い時に両親を亡くし、双子の妹である上山稗と共に協力して生活しておりました。ですがこの寒村には何か外部には言えない秘密があるようです。しかしそれを悠斗は知りません。その為、少しでも危険を回避する為に稗を都会の学校に進学させました。勿論この事が村にバレてはいけませんので、悠斗は何と女装をして稗を演じる事で稗の代わりをする二重生活を送る決意をしました。そんな中、幼なじみであり年上のお姉さんである奥野黍(読み方はオウノキビ)が数年振りに故郷に帰ってきました。そして、黍に悠斗の二重生活がバレてしまうのです。果たして悠斗の生活はどうなるのか、そしてこの寒村にまつわる秘密は何なのか、そんな様々な要素が混じり合った物語が展開されます。
この作品のジャンルはおねショタですが、あらすじでも書きました通り唯のおねショタではありません。主人公は女装しますし、田舎の風習もあります。読み進めていく中でそれらの要素が少しずつ絡みだし、エンディングにたどり着くのです。始めからおねショタを期待してプレイすると少し大変かもしれません。まずは、主人公である悠斗の境遇と周りの環境を理解するところから始めると良いと思います。そして村の雰囲気と悠斗の生き方が何となく分かった頃に、ヒロインである黍がスッと入り込んでくると思います。決して明るい雰囲気ではありませんので、是非部屋の環境を温かめにしてプレイする事をオススメします。
一番の特徴は、写真を活用した背景になると思っております。舞台は田舎の寒村ですのでその雰囲気を出すには背景描写で表現してしまうのが手っ取り早いです。それを写真を使う事でプレイヤーに簡単に認識させてくれます。本当に田舎なんだなと、まざまざと感じる事と思います。そして立ち絵やスチルは逆に水彩画の様な柔らかいタッチで描かれており、特にヒロインの黍の姿はお姉さんらしく温かさと柔らかさを感じる事が出来ます。BGMは場面場面で適切に使用しており、家で団欒する場面や村の真実に迫る部分などでガラリと変わる様子が印象的でした。ただ、システム面は1点注意が必要で、バックログがありません。その為、一文一文クリックし過ぎず丁寧に読んでいく必要があります。ちょっと勿体ないですね。(※C96頒布のパッケージ版ではバックログできませんでしたが、現在購入可能なダウンロード版では修正済みになっております。)
プレイ時間ですが私で1時間10分程度でした。選択肢はなく、一本道でエンディングにたどり着く事が出来ます。途中で章を挟むとかのコーヒーブレイクはありませんので、例えば日付が変わるなどのタイミングで適宜休憩を取りながら読むのが良いと思います。それでも1時間程度のプレイ時間ですので、腰を据えれば休憩なしであっという間に読んでしまうかも知れません。割と時間の流れは速いですので、場面を追っていき村の秘密を探っていく内に気が付けばヒロインの黍の虜になってしまうかも知れません。いや、もしかしたら妹の稗を守る主人公の悠斗の虜になってしまうかも知れません。何れにしても、様々な要素を持ってますのできっとツボにはまる部分があると思います。楽しかったです。
以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。
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<思ったよりも村人たちが屑過ぎてビビりました。だからこそ、最後のおねショタなスチルの有難みが増したのかも知れません。>
まさかあそこまで村の風習が辛辣だとは思っても見ませんでした。もう直接言ってしまえば、あの村人達は本当に屑ですね。村を残す為に若い女を蔵に閉じ込めで子供を産ませるだけの存在にする、こんな村など遅かれ早かれ滅びる運命だったんですね。本当、悠斗は稗を村の外に出して正解でしたし、黍もこんな村に返ってくる必要なんて無かったんですね。
実際のところ、主人公の年齢がいまいち掴めませんでしたのでおねショタかなって疑問でした。妹を気遣い自立して生きていましたので尚更そう思ったのかも知れません。何よりも女装して稗になり切っている姿が凛としてカッコよく、普通に年齢を積み重ねた雰囲気を感じました。これが一番の理由だったのかも知れません。黍もおっぱいが大きかったのでおねえちゃんらしさはありましたけど、表情はまだまだあどけない感じでしたので年の近い幼馴染解く感じでした。何れにしてもその内女装がバレて責められる展開が待っているのは分かってましたので、おねショタというよりも年上責められ系として捉えても良いかなと思いました。
それよりも、個人的にはやはりこの田舎の風習の方が圧倒的に気になってしまいました。元々私が伝奇や田舎のジャンルが好きという事もあり、この村に何が隠されているのだろうという事を解明したいという気持ちの方が強くなってしまいました。明らかに何かがおかしいのは肌で感じられましたからね。そして、何れやって来るであろう試練に対してどれだけ悠斗が黍に対して行動できるのかという事も注目するべき点でした。おねショタとは言え基本的には男の子ですので、守られるのではなく守って欲しいと思いました。結果として悠斗と黍で2人で村から逃げ出す事に成功し、束の間かも知れませんが幸せな生活を営む事が出来て良かったと思っております。
後は、もう少しあの田舎の風習について掘り進めても良かったかなと思いました。まあ、村の男どもが女性をレイプして産ませるだけ産ませて後は山の上にポイするだけなのでしょうけど、どうしておばあちゃんだけが生き残る事が出来たのかとか蔵の中にいたお母さんがどうなったのかは知りたかったです。後は何故村人全員が死ぬ必要があったのかなども気になりました。祭りの設定や踊りの風習なども拘りがありましたので、もっと村の歴史との絡みを知りたかったです。他には、升蔵さんが本当逞しいなと思いました。「穴ぁ使わせてくれや!」はストレートでした!加えて稗を襲っておいてその話はどう考えても兄の悠斗に伝わる筈なのに、平気な顔して接してるんですもの。何れにしても恐ろしい村だったなと、本当に消滅して良かったなと思いました。
最後の最後、村から脱出した悠斗と黍がセックスする描写を見て本当におねショタだったんだなと思う事が出来ました。なる程、あれだけ身長差があれば間違いなく黍は年上ですし悠斗はまだまだ子供ですね。私、おねショタの醍醐味はショタが真っ直ぐに抱き締めた時におねえちゃんのおっぱいに顔を埋めるしかない体格差にあると思っております。そんな醍醐味が感じられるスチルを最後に見る事が出来て良かったと思っております。冬は寒いですが必ず春がやって来ます。悠斗と黍の冬が終わるのは、もうすぐそこですね。ありがとうございました。