M.M 続・日本神話−ねのかみ− 幽世篇


 この「続・日本神話−ねのかみ− 幽世篇」は前作である「続・日本神話−ねのかみ−」の続編となっております。その為レビューには「続・日本神話−ねのかみ−」を含めたネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。

・「続・日本神話−ねのかみ−」のレビューはこちら

※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。























































































シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
5 7 - 68 2〜3 2014/3/17
作品ページ(R-18注意) サークルページ(R-18注意)



<本作の裏側である大神の苦しみをしっかりと目に焼き付けることが出来ました>

 人間が住む「顕世(うつしよ)」と邪悪な神々が住む「幽世(かくりよ)」の狭間にある「黄泉路(よみじ)」に古くから住んでいる「ねのか」と「シシ」の2つの神様の物語を描いた「続・日本神話−ねのかみ−(以下本作)」、その裏側で糸を引いていた八姉妹の長女である大神の視点で描いたのが今作である「続・日本神話−ねのかみ− 幽世篇(以下幽世篇)」です。本作ではねのかとすずねの2人の神様を中心にしてその姿をただ見守ることしかできなかったシシの心情を描いておりましたが、それ以上に心を痛めている神様がいる事に気が付きませんでした。本当に姉妹を愛していながらも裏切るしかできなかった辛さを垣間見ることが出来、最終的に八姉妹が再開できたことの喜びがより一層大きくなりました。

 力を目覚めさせるには感情を高ぶらせなければいけない、そして顕世からやってくる敵に備えなければいけない、結果として自分自身を守り主様の命に従うためとはいえあれだけ仲の良い八姉妹をバラバラにするのは残酷な運命としか言えませんね。加えて大神が自分で目覚めさせた能力を使わないとそれが実現出来ませんので、結果として大神だけがその苦しみを全て引き受けることになりました。年の近い姉妹には相談できましたがそうではない姉妹には嘘をついてまで隠さなければいけませんでした。今作ではこの嘘という物について注目して書かれてました。やはり神様ですので嘘をつくということは絶対的な禁忌でした。良かれと思ってやるとかそういう次元の話ではありません。自分自身の本質さえ失ってしまうような行為であったんですね。

 嘘をつくだけではなく姉妹の記憶や意識を操ってまで任務を遂行せざるを得ませんでした。こうなってきますともう今までの純粋な気持ちには戻れなくなってしまいますね。姉妹を騙して自分を騙して、もう自分が自分ではないと自己暗示でもしないと先には進めなかったのではないかと思いました。ですがそこはやはり絆の強い八姉妹でした。誰もが大神を疑わずに信じ続けてそれぞれの役割を全うしてくれました。特に火神と折神の存在は大変大きく、折神に抱きしめられた時のCGの意味は特別なものだったと思います。

 とにもかくにもこれで本作の裏側に秘められた真実と想いを理解する事が出来ました。誰が悪いといえば誰も悪くはありませんでした。本当に運命だったと思うしかありませんね。ですが運命と決めつけて諦めるのと運命だったとしても精一杯抗うのとでは結果は変わってきました。そんな強い八姉妹の姿が見れただけで十分でした。後はいよいよここから顕世の話に入ってくるのでしょうか。現代に戻り過去の神様の生まれ変わりである人間たちの物語を楽しみにしましょう。


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