M.M　弥勒菩薩 Next Dimention

＜とにかくカオスで超時空的、まさにリスナー参加型という祭りの成せる業ですね。＞

　この「弥勒菩薩 Next Dimention」は、山形放送ラジオにてオタク向けのラジオ番組を制作されている「にじぽり委員会」さんと、同人ゲームサークルである「SORAKAZE」で制作されたビジュアルノベルです。切っ掛けは、C99にて同人ゲームの島サークルを回っている事でした。C99は、コロナ禍で暫く開催できていない中で約2年振りに開催されたコミックマーケットです。来場者数やサークル間の離隔を最大限確保して開催され、久しぶりにイベントの楽しさとサークルさんと作品に出会えた事の喜びを噛み締める事が出来た1日でした。コミケの素晴らしいところは、その瞬間でしか出会えないサークルさんや作品があるという事です。今回レビューしている「弥勒菩薩 Next Dimention」その最たるもので、なんと出展されていた「にじぽり委員会」さんは私の出身である山形でラジオ放送番組を持っている方々でした。地元でビジュアルノベルを制作されている方と出会えたのは嬉しかったですね。何も迷うことなく、秒で手に取ってました。

　この作品のジャンルは「驚異の新感覚ニュージャンル　リスナー参加型美少女恋愛闇鍋ノベルゲーム」となっております。始めに断っておきますが、この作品はこのジャンル名が示す通りとてつもなくぶっ飛んだ内容となっております。一言で言えばカオス、一言で言わないとすればこのジャンル名そのものです。実際にプレイしてみて感じて頂けるのが一番良いのですが、それではレビューになりませんのでなんとか掻い摘んで書いてみようと思います。それ程までに、カオスでぶっ飛んだ内容である事は覚悟しておいてください。

　この作品は全部で三つの章に分かれております。それぞれ一応独立したシナリオではあるのですが、最終的に時間も空間も超越した終わり方を迎えます。丁寧に読んできた人は、この超展開に開いた口が塞がらないでしょう。それでもそれなりに辻褄は会ってますので、力と気力のある方は是非時系列と人物相関図と考えてみて下さい。それが完成したら、私にも見せて下さい！三つの章は、そのどれもがラブストーリーです。ですが、愛の力はこれ程までに重いのかと思わせてくれました。ある意味、主人公が羨ましいです。あ、初めて断ってませんでしたが、主人公の名前は主人公です。読み方は実際に作品をプレイして確かめてみて下さい。

　最大の魅力は、リスナー参加型というスタイルにあると思います。この作品はとにかくカオスなのですが、その一翼を担っているのがこのリスナー参加型にあります。作品には、脈絡なく絵柄も雰囲気も違うモブキャラがこれでもかという程に登場します。そして、モブキャラに合わせてボイスも様々です。闇鍋とはよく言ったものですね。これだけひたすらリスナーの方が参加していれば、まとまる筈がありませんからね。ですけど、これこそがこの作品のテーマであり魅力なのかなと思いました。とにかく楽しめればいい、この弥勒菩薩という祭りに乗ったもの勝ち、そんな粋の良さすら感じました。これに突っ込むのは、それこそ無粋というものです。始めから何も考えずに、何となく楽しい雰囲気だなというテンションを感じられればそれで良いんだなと途中で気付きました。

　プレイ時間は私で3時間くらい行いました。とりあえず3時間でエンディングの1つにたどり着きました。この作品、闇鍋でカオスらしく選択肢も無数に存在します。そして、その多くが脈絡なく超時空的に展開しバッドエンドとなってしまいます。途中から、分岐の検証を諦めました。よくもまあ、ちゃんとしたエンディングにたどり着けたと思っております。ちなみに、パッケージに書かれている女の子には一度も出会っておりません！誰か攻略チャートを作って下さい！とりあえず3時間ひたすらカオスな雰囲気を堪能させて頂きました。もはや、シナリオを考察する事に意義を見出す気力すら奪われてました。まさに、同人ゲームだからこそ成し得た雰囲気だと思います。楽しかったですが、楽しみ方を間違えないように注意して下さい。現在「にじぽり委員会」さんの公式通販で購入できますので、気になる方はそちらからどうぞ！

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現在ネタバレのレビューはありません。見たい方も見たくない方も避難して下さい。