M.M 神さまの耳はけものみみ!?




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
5 6 6 68 2〜2 2016/1/12
作品ページ(R-18注意) サークルページ



<不幸体質のくせに女の子2人とイチャイチャしてる主人公を呪いながらプレイするくらいが調度良いと思います。>

 この「神さまの耳はけものみみ!?」は同人サークルである「integral」で制作されたビジュアルノベルです。integralさんの作品では過去に「バカは死ななきゃ治らないっ!(以下バカない)」をプレイさせて頂き、ハイテンションなドタバタエロコメディのリズムがとても心地よくて最後まで純粋に笑わせて頂きました。それでいてヒロインは皆とても可愛く、特にCGの艶やかな塗りはHシーンでその進化が発揮され可愛いだけでない妖艶さも含んだ姿に見とれました。そんなintegralさんの新作が今回レビューしている「神さまの耳はけものみみ!?(以下みみみみ)」ですが、これもバカないの流れを汲んだエロコメディな雰囲気を感じプレイ前から楽しませてくれる事は確信しておりました。

 主人公である貴村徹には1つ悩みがありました。それは何故か頻繁に宗教勧誘を受ける事です。「貴方は神を信じますか?」は最早徹にとって聞き飽きたセリフ。初めこそ戸惑っていたものの大学生となった今ではそんな単純な勧誘に引っかかる事もありません。ですがそんな徹の前についに本物の神様が現れました。しかもその神様は何故か獣耳がついていて、何故かこの2人と一緒に生活することに。ついに徹の前に姿を現した本物の神様ですが、その出会いは徹の慎ましい生活を一変させることになるのです。

 前作のバカないでも思いましたが、integralさんの主人公は本当に不幸体質ですね。そしてバカないの主人公は理不尽に死ぬという究極的にぶっ飛んだ奴でしたが、みみみみの主人公は頻繁に宗教勧誘を受けるという何とも地味ですが嫌な理不尽です。ですがこのぶっ飛んだ不幸体質がそのまま終わらないのがintegralさんの上手いところ。まずは可哀想な主人公を笑いながら、そして何故か一緒に暮らすことになった2人の神様とのイチャラブエッチを楽しんで欲しいですね。そして物語後半で明らかになる主人公の不幸体質の正体を目の当たりにして欲しいですね。まあ、それ程辛辣なシナリオではありません。あくまでこの作品はエロコメディです。難しいことは考えず不幸体質のくせに女の子2人とイチャイチャしてる主人公を呪いながらプレイするくらいが調度良いです。

 他にこの作品の魅力を挙げるとすれば、上でも書きましたがやはりCGの塗りの艶やかさですね。みみみみはダブルヒロインでありそれぞれロリと巨乳という正反対な属性を持っているのですが、どちらもキラキラして生々しい肌の塗り方に目を惹かれました。塗り方だけでエロく感じてしまうCGなんてそうあるものではありません。エロコメディですのでHシーンの数も大変多いのですが、その全てのCGが艶やかですので溜まったものではありませんね。勿論キャラクター自身も可愛らしい個性を持っておりますので、パーソナリティと塗りの両面から愛でて欲しいと思います。

 プレイ時間は私で2時間20分掛かりました。この作品は20〜30分の章単位で構成されており、途中シナリオの区切りが分かりやすくなっておりますので適宜休憩を挟みながらプレイするのが良いのかなと思っております。まあ元がそれ程長い作品ではありませんので一気にプレイ出来てしまうとは思いますが、エロコメディですので1日1シチュエーションと決めてじっくりプレイするのもまた面白いかも知れません。まずはヒロインに萌えてコメディに笑って、最後どのようなEDになるか見届けて下さい。最後まで楽しい気持ちでプレイする事が出来ると思います。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。








































<何はともあれ、最後のCGに象徴される様な柔らかいEDを迎えられてホッとしました。>

 やはりintegralさんの作品は読後感が非常に良いですね。訳も分からず2人の女の子と同棲するところからのスタートし、その後彼女らの心の悩みが表面化しそれを主人公の男気で解決するシナリオでした。余りにも王道なシナリオでしたがそれで良いのだと思いました。何故ならこの作品はエロコメディなのですから。この位の起承転結がちょうど良い重さだと思いました。

 宗教勧誘に悩まされた主人公である貴村徹ですが、それは不幸体質なんかではありませんでした。全ては彼が持つ他人に対する大らかさと真剣さの現れであり、そこにリンも葛葉もアズも惹かれたのだと思います。何よりも徹には自分の運命や他人の覚悟を受け止めるだけの度量がありました。伊達に不幸体質ではありませんね。むしろ不幸体質だからこそ鍛えられたのかも知れません。そんな徹だからこそ種族を超えた奇跡を実現出来たのだろうと思っております。

 後はやはりダブルヒロインの2人が可愛かったですね。勿論見た目の可愛さは当たり前ですが、基本的にまっすぐな性格ですので最後悩みを打ち明けで素直になってからのデレっぷりが破壊力満点でした。まさか葛葉もあそこまで素直になるとは思いませんでしたね。リンは元から子供っぽい性格もあってそのまま素直になった印象でした。何れにしても3人家族のように楽しく時にエッチもしながら末永く仲良く過ごすのだと思います。そして途中選択肢によっては1人を選んでのEDもありました。全体を見通せばバッドエンドなのでしょうが、本人達にとっては十分ハッピーエンドだと思いました。最愛の人と同じ人間として過ごす事が叶ったのですから。

 結局のところ最初から最後まで登場人物たちの魅力に溢れたシナリオでした。いきなりのHシーンから始まりそこから始まる3人の同棲生活。その後少しずつ明らかになる2人の悩みとそれを自分の力で解決しようとする徹。悩みを告白する姿は健気で可愛かったですしそれを神に頼らず解決しようとする徹は格好良かったです。そしてそんな徹をずっと見守ってきたアズも一途な性格ですね。彼女の想いが成就されるのは遥か先ですが、徹もあの正確ですので死後きっと彼女のことも愛するのだと思いますね。何はともあれ、最後のCGに象徴される様な柔らかいEDを迎えられてホッとしました。楽しかったです。ありがとうございました。


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