M.M マラミッド〜古代の大秘宝を追え〜




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
4 6 - 60 1〜2 2020/1/3
作品ページ(R-18注意) サークルページ(R-18注意)



<折角のB級映画風ですので、是非大真面目にテキストを読んで付き合ってみて下さい。>

 この「マラミッド〜古代の大秘宝を追え〜」は同人サークルである「moarea88」で制作されたビジュアルノベルです。moarea88さんの作品は何本かプレイさせて頂きました。基本18禁の作品が多く、タイトル名がそのままシチュエーションになっている分かり易いという印象を持っております。個人的にmoarea88さんの作品で一番好きなのは「マラゾネス」という作品であり(レビューはこちらからどうぞ)、B級映画の様な下らない展開と天性の才能を思わせるセリフ周りが大好きで腹を抱えて笑ってプレイした記憶があります。そんなマラゾネスの流れを組んだB級映画風作品の第2段が、今回レビューしている「マラミッド〜古代の大秘宝を追え〜」です。またマラゾネスみたいに笑わせてくれる下らなさを楽しみにプレイし始めました。

 あらすじですが、正直大したものはありません。考古学者である主人公のルーカスは、とある依頼でエジプトの奥地にいるという伝説のふたなり民族とその聖地である「マラミッド」を求めて旅に出ます。助手でありメイドでありふたなりのセーラと共に踏み入った先には、伝説だと思っていた種族と古代の大秘宝、そしてそれを求める様々な思惑が集まっていたのです。本当下らないと思います。ここまで分かり易く大真面目風に見せて結局はエロゲーである事を隠そうともしない、この独特のテンションは流石だと思いますね。色々とひと悶着あるのですが、最終的にはふたなりと何やらするという展開になるのが見え見えです。是非ここは1つプレイヤー側も真面目に物語に集中して楽しんでみましょう。

 個人的に好きなのは、主人公のどこかズレた突っ込みですね。マラミッドの中には神聖な神さまがいるのですが、どうやらその子は相当に可愛いらしく何故その神様を大切にするのか問われたら「あんなにかわいいのに!!かわいそうだろう!!」と大声で突っ込んだりします。他にもとある悪党に捕まりセックスを強要され射精する直前でも「ざ、残念だっ……で、出るっ!!」とか大真面目に叫んだりします。本当、真面目なんだかふざけてるのか実際のところ良く分かりません。とりあえず楽しそうにやってるなと思ってしまいました。これこそが、B級映画風の真髄なのかもしれません。何れにしても下らない事に変わりはなく、それを楽しむのが良いです。

 プレイ時間は私で1時間20分掛かりました。この作品、設定など無駄に事実に基づけて拘っており妙に博識になれたりします。そういった説明も割と長いので唯のエロゲーと思っていたら中々Hシーンにたどり着かないと思うかも知れません。これも、真面目に読むか笑うかどちらかですね。結局はB級映画風ですので最後まで付き合ったもの勝ちだと思っております。最終的にマラミッドには何が待っているのか、そして考古学者である主人公の運命はどうなるのか、是非その答えを真面目に考えてみて下さい。その方が、きっと面白いです。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。








































<「俺は女性を危ない目に遭わせたくないんだ!!」「わたしはふたなりです!!」「そんなことは聞いてない!」>

 正直なところ、あんまりネタバレ有りで言う事もありません。流石のB級映画風のシナリオを堪能させて頂きました。とりあえずこの世界の雰囲気に付いていく事が一番の山場でありまた楽しいところだなと思いました。

 少し勿体ないなと思ったのは、一応敵キャラポジションである教授のキャラクターがいまいちつかめなかった事です。教授は自己顕示欲が強く名声が欲しいという考古学者としてはどこかズレたキャラクターだと思っていたのですが、最期リーゼロッテに裏切られるときに妙に考古学者らしくカッコ良かったのに違和感を覚えました。どうせ死ぬのなら、思わせぶりなキャラらしく格下っぽく汚く死んでほしかったなって思いました。ちょっと良い奴じゃんって思ってしまったのが悔しかったですね。後は、ルーカスが絶頂する程可愛いメジェド様の姿を是非見たいと思いました。あれだけ可愛い可愛いと言っておいて、それが見れなかったのが悔しかったですね。

 後は、結局のところマラミッドの謎がいまいちハッキリしないで終わったのも残念でした。結局のところメアは何者だったのか、秘宝の正体は何だったのか、この辺りが謎で終わってしまいました。まあ、そんな事もあったくらいで曖昧に終わるくらいが調度良いのかも知れません。後は肝心のふたなりが、割と主人公の周りにいっぱい居過ぎてありがたみが無かったのも残念でした。まあこれもまたB級映画風なのかも知れませんが、結局のところ普通の女性は誰もいませんでしたからね。むしろそれが狙いかも知れませんね。「お前もかい!」って突っ込んだら負けですねきっと。

 何れにしても、マラゾネスを彷彿とさせるB級映画風の雰囲気を楽しませて頂きました。本当、主人公のセリフ周りが大好きで主人公が「!」を付けて叫ぶシーンは大体自分は突っ込みを入れてました。こんな主人公が傍にいたら、さぞ退屈しないんでしょうねと思ってしまいました。一番「嘘つけ!」と突っ込んでしまったのは、最期リーゼロッテを縛って武装解除している時に「し、しまった!こんなつもりでは!」って言ったところですね。まあ白々しいと言ったらありませんね。ホント、こういうのに真面目に取り組んで真面目に笑うのが一番健全だなと思いました。ありがとうございました。


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