M.M 魔法部におまかせ! 第1話




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
3 6 6 68 〜1 2015/2/7
作品ページ サークルページ



<プレイヤーの読むという操作を出来るだけ妨げない工夫がされていて好感が持てました>

 この「魔法部におまかせ! 第1話」は同人サークルである「黒柴亭」で制作されたビジュアルノベルです。黒柴亭さんと初めて出会ったのはCOMITIA108で島サークルを回っている時でして、その時にサークル部活動として参加していた「ノベルゲーム部」の部長を務めていたのがこの黒柴亭さんです。その後ノベルゲーム部の打ち上げに参加させて頂いたりC86やCOMITIA110などでご挨拶させて頂き、COMITIA112ではノベルゲーム部の紹介役としてお話を頂きました。そんな御縁もありながらまだ黒柴亭さんの作品をプレイしていないことに気づき、今回のレビューに至っております。

 主人公である岩瀬仁美は県下では名門の中高一貫校である白玉学園に通う中学一年生です。入学したての彼女ですが、入りたい部活動は既に決まっておりました。それがタイトルにもなっております「魔法部」です。なんともまあ胡散臭い名称の部ですね。そして胡散臭いのは名称だけではなく部長もそうでした。部長である川上鋼太郎は日々エロいことばかりを考えている男子学生です。仁美に平気でセクハラ発言をしたり上半身を露出したりと基本自由な存在ですね。それでも仁美が世話好きな性格もあって何だかんだいいコンビに見えるのが不思議ですね。そんな魔法部にやってきた一つの依頼から物語が始まります。

 この作品はとにかくテキストが読みやすいですね。文章は漫画の吹き出しのように登場し誰が話しているか一目で分かります。加えて一度に表示される文字数が少ないので、テンポよくクリックして読み進めることが出来ます。そして冒頭は舞台の説明とキャラクターの説明、そこから依頼内容に入っていきスムーズに作品の世界の中に入り込むことが出来ました。後はBGMとのバランスも良いと思いました。前半はとにかく穏やかで平和な学園生活そのものでした。後半は熱い展開が待っているのですが、それに見合った重厚なサウンドで雰囲気を盛り上げてくれました。とにかくプレイヤーの読むという操作を出来るだけ妨げない工夫がされていて、まさにビジュアルノベルのあるべき姿の1つだなと思いました。

 プレイ時間ですが私で45分くらいでした。今回は第1話という事で、まずは主要な登場人物の性格と魔法部というものについて知って頂ければいいのかなと思っております。短いプレイ時間で完結する内容ですので読後感も良く、気軽にプレイできるのも魅力ですね。今後また様々な依頼がやってくるのでしょうけど、それでも持ち前の明るさと変態っぷりで解決していくのだろうと信じております。後はこの2人の関係がどう変化していくのかも気になりますね。第2話を楽しみにしております。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。








































<とにかく悪魔のデザインセンスに感動してしまいました。>

 鋼太郎かっこよかったですね。普段はやる気のないエロしか考えていないような雰囲気だったのに魔法の事となった瞬間あの真剣さですからね。しかもメチャメチャ博識で強かったですからね。これは仁美も惚れてしまいますね。決めるべきときに決める事が出来るのが本当のカッコ良さなんだなと思いました。

 物語としては割とありがちな内容だったと思います。愛しいペットが死んでしまって心が病んでいるところに漬け込む悪霊、そしてその正体を見抜き叩きのめす。王道ではありますが王道であるからこそ安心して楽しく読めるというものです。それよりもあの悪霊のキモさが最高でしたね。あんな変態、100人中99人が「偽物だろ…」って思うと思います。気付かなかったのは当人である治子だけでした。よくもまああれだけキモいデザインが浮かぶものです。そのデザインセンスに一番感動してしまいました。

 ですがそれに負けず劣らずミスターもキモかっこよかったですね。あのモアイ像の様な顔に手足がついた造形、ハッキリ言ってキモいです。ですがこっちはキモいだけで変態ではなかったですね。もうあのデザインだけで勝ちが決まってました。流石は普段エロいことしか考えていない鋼太郎です。真面目な場面なのにこういうところでおフザケを入れてくる当たり流石ですね。シリアスになったのはほんの一瞬でした。とにかくミスターが最後全てを持って行ってくれました。これからまた様々な悪魔が登場してくるとテンションが上がりますね。

 そして最後のオチ、実に鋼太郎らしいと思います。そしてそんな鋼太郎を気遣う仁美、最高の終わり方だったと思います。そしてそんなEDで流れるタイトル画面のメロディかと思いきやボーカル曲でした。黒柴亭さんもHPの中で「シティハンターを意識した」と書いてありますが、改めて聞いてみて確かにその通りだと思いました。短い中で笑いありシリアス有り、そしてスカっとする終わり方、存分に楽しませて頂きました。第2話も楽しみにしております。


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