M.M 聖天使☆レベルドレイン




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
4 6 - 68 2〜3 2016/8/27
作品ページ(R-18注意) サークルページ(R-18注意)



<主人公と天使の距離感が少しずつ変化していく様子を、Hシーンの中で感じてみて下さい。>

 この「聖天使☆レベルドレイン」という作品は同人サークルである「夜のひつじ」で制作されたビジュアルノベルです。夜のひつじさんの作品はこれまで5作品程プレイさせて頂き、様々なテーマやジャンルの18禁ゲームを制作されているという事で同人ノベルゲーム界隈でも比較的名の知れたサークルさんなのではないかと思っております。基本的にどの作品もプレイ時間3〜4時間という事で、休日に一日あれば全て読み終える事が出来る手軽さです。それでも1作品に10以上ものHシーンが盛り込まれており実用性は高く、是非お気に入りの一本を探して欲しいですね。

 今回プレイした「聖天使☆レベルドレイン」はファンタジーです。主人公は魔王討伐を目指す勇者であり、その為に念入りにレベルアップを図りもはやその値はカンスト直前まで上がっておりました。ですが勇者は主人公一人ではありませんでした。主人公がレベルアップに興じている間になんと別の勇者に魔王を討伐されてしまったのです。魔王がいなくなった事で役目を失った勇者、そしてここから天使たちの仕事が始まります。魔王討伐の為に導かれた勇者は今となっては力を持った歪な存在。そんな勇者のレベルを吸収して一般人に戻すのか天使の仕事です。そう、レベルの吸収はもちろん精液を頂く事に決まってますね!

 この作品の魅力は主人公である勇者と2人の天使の掛け合いにあると思っております。勇者は今までの努力が無駄になってしまいましたがその為に高めてきたレベルがあります。それこそ目の前に現れた2人の天使など指一本で倒せる程です。ですが行く宛のなくなった不安感と2人の天使の甘い誘惑に次第に心を絡め取られてしまいます。痛い事は一切なくただ気持ちよくなるだけですからね。始めは悪態をついていた主人公が次第に順応になっていく様子は見ていて気持ちがいいです。加えて2人の天使は基本甘甘なのですが性格は全然違っており、それぞれのやり方で主人公のレベルを吸収していきます。サディスティックな天使が良いか母性溢れる天使がいいか、是非2通りのHシーンを楽しんで欲しいですね。

 そして上でも書きましたがHシーンも10以上用意されております。そしてそのどれもがバラバラなシチュエーションであり、マンネリ化する事はありません。ここで言うバラバラなシチュエーションとは体位が違うとか受け責めが違うとかそういった直接的な事だけではありません、少しずつ心が絡め取られていく中で、主人公と2人の天使の距離感が変わっていくんですね。その為ちょっとした会話のニュアンスですとか雰囲気が全て違うのです。そんな心の変化も感じながら堪能して頂ければと思います。

 プレイ時間は私で2時間20分程度掛かりました。途中バトル風の選択肢が幾つも登場しますが、エンディングは2種類のみです。自分が主人公だったらどう有りたいかで簡単に分岐する事が出来ますので、是非本能のままに選んで頂ければと思います。始めは敵であった天使に次第に心を許していく主人公。始めは仕事で付き合っていたのに次第に主人公が気になっていく天使。そんなお互いの可愛らしい姿もまた魅力です。Hシーンとシナリオをうまく融合した夜のひつじさんらしい作品だと思いますので、是非皆さんもプレイしてみて下さい。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。








































<レベルの様な分かりやすい指標よりも、数値化出来ない自分のやりたい事を大切にしていきたいですね。>


「何をしたらいいかわからない世界より、何かをしたらわかりやすくレベルが上がっている世界のほうがいい。」


 主人公にとって勇者であるという事は自分が英雄になれるという事以上の意味を持っていた気がします。元々コミュニケーションが苦手な上に現実世界では何をすれば良いか分からず、何となくSNSで知り合った人とオフパコして大切な初体験終えた主人公にとって早々現実世界への未練など無かったのかも知れません。それでも2人の天使と出会い体を重ね心を重ねていく中で、何となく自分の進むべき道が見えたのかなと思っております。

 今回も色々と楽しいシチュエーションを堪能させて頂きました。個人的にはルナの腹ポテと主人公のショタ化がお気に入りでしたね。やっぱり母性的なヒロインが行き着く先は腹ポテだと思うのですよ。母乳やママ呼びも最高でしたけど、これに腹ポテも加わって実に理想的なシーンだったと思っております。そして責められ系×ショタも鉄板ですね。屈強な男が責められるのも悪くはないのですけど、やっぱり見た目から弱い方がしっくりきますね。子供をあやすお姉さんのようなあのシーンは男だったら誰でも憧れるのではないでしょうか。自分もあの巨乳に顔を埋めてみたいです本当。

 後は所々に幾つもの名言が散りばめられておりましたね。「弱くなーれ、弱くなーれ」「この穴はいい穴だと思う」「膜を戻すオプションはいらない」「ほんとだ……、これ、るなのだ」「おなか、重いよ、ばか」、直接的なものもあればよくよく考えてみると色々とおかしいものまで様々でした。普通の会話の中にナチュラルに散りばめてくるからずるいですよね。オナニーしてたのに思わず手を止めて笑ってしまいましたからね!甘甘で責められ系の軽いタッチのシーンを彩りよく演出してくれたと思っております。

 そして始めは気丈に振舞っていた主人公ですが、2人の天使と体を重ねレベルを吸い取られていく中で朧げながら自分の今後について考え始めていました。上でも書きましたが主人公は基本的にコミュニケーションが苦手で、将来に対して何も希望を持ってませんでした。勇者であることは主人公にとって自分が自分である証であり、レベルを吸収されるという事はそんな自分らしさを吸収される事そのものです。それでも、自分の思うがままに好きな事を好きなようにする2人の天使の姿に憧れも持っていたのだと思います。作中でも「したいことしたほうが、誰かを恨まずにいられる」と言っておりました。その事に気づけたとき、主人公は現実世界へ帰る事を決めておりました。

 レベルって分かり易いですよね。自分のステータスが完全に数値化されるのですから。自分の能力を見誤る事もなく進むべき目標への到達度もハッキリします。ですが自分のやりたい事はそんな風に数値化できませんね。レベルドレインは、そんな数字に囚われた主人公を開放する意味もあったのかも知れません。みんなちょっとずつ矛盾してはみ出しているようなこの関係、出会いも理不尽で好きになることも理不尽でした。それでも素直な彼ら彼女らですので自分が決めた道を進むのは得意ですね。心優しい天使たちと触れ合う中で、主人公は何となく人との触れ合い方に気づけたのかなと思っております。ありがとうございました。


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