M.M くまの娘道譚


<和歌山県の魅力を発信する可愛らしいキャラクターと動きのある演出が魅力なビジュアルノベル>

 この「くまの娘道譚」は「熊野娘道譚」で制作されたビジュアルノベルです。熊野娘道譚さんは、熊野の名前の通り和歌山県を舞台としたビジュアルノベルを制作しているサークルさんです。和歌山県は海や山などの自然が豊富であり、熊野三山に代表される文化遺産もある魅力的な県です。ですがそんな和歌山県を題材にしたサブカルチャはほとんどないとの事。そんな現状を打破しようと始めたのが当サークルであり、和歌山のイベントやFMラジオへの出演なども行っております。

 今回プレイした「くまの娘道譚」は、その名の通り熊野古道にある王子(神社)を題材にしたビジュアルノベルです。熊野古道には数多くの王子が点在しており、九十九王子として知られております。その中でも格式が高いとされる王子を五体王子として命名しており、今作はそんな五体王子を擬人化のみならず美少女化して登場させております。五体王子は妖力という不思議な力を持ち合わせており、その力を持って物の怪と戦う日々を送っております。事件は和歌山県のあらゆるところで発生しており、その度に彼女たちは現地へ足を運び禍を解決していくのです。合わせて和歌山県各地の魅力も紹介しており、まさに彼女たちが和歌山県の案内役ですね。

 魅力はやはり擬人化された五体王子達の可愛さと、アニメの様によく動く演出ですね。全部で5人の女の子が登場するのですが、全員個性が強くあっという間に彼女たちのテンポに取り込まれてしまいます。天然、ツンデレ、スポーティーなど典型的な属性ではありますが、王道だからこそ成し得る魅力は非常に安心感がありました。また演出は割と細かく、メッセージウィンドウと合わせて各キャラクターの傍に吹き出る擬音にも注目です。また上でも書きましたがこの作品には妖力という不思議な力が登場し物の怪が登場するのですが、それらが登場する部分はかなり動きます。3Dのような技術的な演出ではありませんが、その分わかり易く妖力や物の怪がどういう物かひと目で分かりますね。

 プレイ時間は私で20分程度掛かりました。この作品はウェブ上でプレイ出来ます。一話ごとにプレイでき、各話3〜10分で読む事ができます。現在第四話まで公開しており、まだまだ序章ですのでここからの展開が楽しみです。またくまの娘道譚はビジュアルノベルだけではなくドラマCDなどでも展開しておりますね、そちらも合わせて聞いていただくと良いと思います。何れにしてもまだ始まったばかりですので、公開されたらその都度プレイしてレビューを増やしていこうと思います。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。








































<まずは五体王子達の性格と生い立ちから丁寧に辿っていこうと思います>

(第一話)

 不思議なものが見えるが故に疎まれるすみれ、ですが持ち前の天然さと明るさで暗い雰囲気は全く感じませんでした。そんな彼女が妖力を持っている事に気付き「誰かの役に立てるのなら、やりたい!」と決意したとき、それが彼女の新しい生活のスタートでした。

(第二話)

 三年前の事故の真実を探りその元凶を見つける生活を送るもみじ、そんな彼女に助言するミサキの目的は果たして何なのでしょうか。そして地脈へ接続する力を既に持っている彼女の実力は如何程なのでしょうか。

(第三話)

 既に人形に物の怪を閉じ込めるという形で妖力を使いこなしているかりん、そんな彼女の前に現れた男は自分よりも遥かに大きな力を持っておりました。ツンデレな彼女は彼の言葉が気になり頭から離れません。そんな様子もまた可愛かったです。

(第四話)

 まだ自分に課せられた運命を知らない少女なずな、そんな彼女に接触しようとするミサキの目的は何なのか。そして彼女が待っている滝尻とはどんな人物なのか。ここで提示されたのは問題提起のみ。まだ何も始まってはおりません。


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