M.M 田舎でいたずら




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
5 8 - 70 1〜2 2020/5/18
作品ページ
(R-18注意)
サークルページ
(R-18注意)





<小さな女の子とのHも勿論ですが、それ以上にリアルな夏の田舎の描写が素晴らしかったです。>

 この「田舎でいたずら」という作品は、同人サークルである「BABEL」で制作されたビジュアルノベルです。BABELさんの作品では過去に「秘密基地で秘め事」「生意気な妹に催眠術」をプレイさせて頂きました。BABELさんの作品も今作で3作品目という事で、何となく雰囲気が分かってきた気がします。見た目通りのロリなのはその通りですが、全ての作品がヒロインとの出会いからHするまでの流れがとても丁寧です。出会いからちゃんと段階を踏んで関係を深めていき、Hシーンも少しずつ内容が深まっていきます。勿論エロゲーらしいご都合主義ではありますが、ある意味定石とも呼べる展開ですので慣れたエロゲーマーであればそろそろ次はこれかな?なんて分かるかも知れません。何れにしても、パッケージを見てそのイメージ通りの展開ですので安心してプレイする事が出来ます。今回レビューしている「田舎でいたずら」は、C96での新作になります。夏コミで頒布された夏を舞台にしたエロゲです。季節的にもピッタリだなと思いプレイし始めました。

 主人公である須藤勇勢は大学4年生です。現在夏休みであり、既に就活も終えて後は卒業までの時間を過ごすだけの日々を送っておりました。勇勢にはおばあちゃんがいました。おばあちゃんがいるのは都会から遠く離れた田舎であり、小さい時によく遊びに行ってました。そのおばあちゃんですが、体を壊して入院する事になりました。その為勇勢は夏休みの間におばあちゃんの家に行き、家の掃除などの世話をする事にしました。久しぶりの田舎に驚きつつも懐かしく思う勇勢、そんなおばあちゃんの家に一人の女の子がやってきました。名前は村上さくら、おばあちゃんとは大の仲良しでお菓子などを貰っていたそうです。さくらはおばあちゃんから勇勢の話を聴いておりました。さくらにとって勇勢は憧れの存在になっていたのです。おばあちゃんの代わりに勇勢と一緒に過ごすさくら、その関係は時間と共に少しずつ変化していきました。

 という訳であらすじでしたが、この作品はエロゲですので色々ありつつこの女の子とHするのは間違いありません。後はどんなシナリオ展開でHするかという事に尽きるかと思います。この部分は冒頭でも書いた通り、本当に丁寧に女の事の関係を作っていきます。まずは出会いから始まり、そこからちょっとずつ仲良くなっていき、ひょんな切っ掛け(笑)でHな展開になる、そんなイメージになると思います。その辺りは自分の目で確かめてみて下さい。しかし、タイトルにいたずらとありますので真っ直ぐな気持ちだけで進む事になならなそうです。どこか好奇心と言いますか、いたずら心が働いて女の子が嵌められる展開も予想できます。何れにしても、こんな無垢で可愛い女の子をどんな風に手籠めにするのか是非味わってみて下さい。基本的に軽い感じでプレイ出来ますので、田舎らしさと小さな女の子と明るい雰囲気を楽しんでみて下さい。

 そしてこの作品の一番の魅力は田舎の描写にあると思っております。背景描写やBGMは汎用の素材を使用しておりますが、テキストや主人公の行動の隅々に田舎らしさを演出しております。電車やバスの本数が少ないとかは当たり前ですが、歩いていてコイン精米機があるとか、無人の野菜売り場はあるとか、駄菓子屋の品物が充実しているとか、そんな細かい描写にリアリティを感じました。他にもテレビのチャンネルが少ないとか、番組が古いとか、家の前に野菜がお裾分けされているとか、最初から最後まで本当に田舎らしさを散りばめておりました。この徹底ぶりは見事だと思いました。パッケージの見た目通りのロリな女の子とのHも丁寧ですし、田舎の描写も丁寧ですし、最後までプレイヤーのイメージを裏切らずむしろ期待以上の展開を続けてくれました。合わせて夏ですので、夏らしい描写も丁寧です。ラムネ、川遊び、祭り、花火、宿題、アイス、そんな夏らしいキーワードが満載です。是非夏にプレイする事で臨場感も味わえると思います。

 プレイ時間は私で1時間15分でした。選択肢はなく、一本道でエンディングにたどり着く事が出来ます。エロゲですので、プレイ時間の半分以上はHシーンとなっております。シチュエーションも豊富であり、同じような場面は一つとしてありません。是非気軽にロリな女の子とのHを楽しんでみて下さい。BABELさんはこれまで沢山の作品をリリースしておりますので、システム周りも安心感があります。絶対に最後までプレイ出来る信頼がありますので、そういう部分でもオススメです。エロさもそうですが、女の子が小さくて素直ですのでほのぼのさも感じると思います。是非あなただけの夏の一時を仕立て上げてみては如何でしょうか。オススメです。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。








































<勇勢はね、エロゲとしては比較的まともな主人公なんだと思うんです。信頼出来るんですよね。>


「もう就職なんてどうでもいい!ここに住む!」


 私、BABELさんの作品で好きなのは主人公の潔さなんですよね。過去にプレイした作品でもそうなんですけど、最後に何か決意をして常識では選ばない決断をしてくれるところが好きだったりします。内定が決まっていて安定な未来が半分約束されていたのに、それを蹴ってでもさくらといたかったんですね。そんな潔さと決断力が大好きです。

 言いたい事は殆どネタバレ無しで書いてしまいましたが、本当に田舎の描写が丁寧でした。田舎と聴くとどこか不便なんだろうなという印象を持つ人がいるかと思いますし実際そうなんですけど、その不便さを跳ね返すような人間の温かさというもの同時にあります。この作品でも、無人の野菜販売所があったり野菜のお裾分けがあったり、駄菓子屋で何でも買えたりと助け合いと信頼関係を大切にしている場面がありました。何よりも、さくらという他人が純粋に勇勢の事を信頼している姿がその象徴に思えました。勿論エロゲですので、この辺りはご都合主義なのでしょう。それでも、おばあちゃんがさくらに勇勢の事を好意的に伝え、それをありのままに信じているという構図はエロゲ無しでも素直に受け入れられると思いました。これが田舎のなせる技なのかも知れません。この作品にとって、田舎という描写は必須だったのかなと思っております。

 そして、さくらは良い子でしたね。エロゲ特有のご都合主義は勿論ですが、それ以上に物事に対して素直に感想を口にして素直に勇勢を褒める場面が素敵だと思いました。あれだけ褒めてもらえたら、別に性的であっても無くても好きになってしまうという物です。作ってくれたご飯は美味しいと言ってくれる、勉強を教えたら凄いと言ってくれる、一緒に帰ったらありがとうと言ってくれる、こうした小さな言葉の掛け合いが人間関係には大切なんだなと思いました。相手を褒める事には無限の力があるなと、自分も真似しなければと思いましたね。実際のところ勇勢も男ですので、さくらと一緒に居たいという気持ちにそうした性的なものがあるのは間違いないのでしょう。ですが、それ以上にきっと世の中にさくら程相手を肯定してくれる女の子は数える程しかいないと思いますのでそこに惚れたのだと思っております。自分だって、都会に帰ると言った時にあれだけ泣いてくれるのなら残ってしまうかも知れないですしね。とにかく魅力的な女の子でした。

 この作品に限れば、勇勢は割とまともにさくらと付き合って本当に結婚しそうだなと思いました。元々就活を終えて大学を4年でちゃんと卒業できそうですし、田舎生活に戸惑いつつも順応性はありますし、エロゲのご都合主義部分は百歩譲って常識もありますからね。私、勇勢の一番好きな場面は布団を干すときに「こんな大変な仕事をおばあちゃんにまかせっきりには出来ない」と思った場面です。頼まれた面倒くさい仕事をしっかりとこなして、その上で家族思いな場面も持っておりました。私、このセリフを見た瞬間に「ああ、きっと勇勢は最後ここに残るんだろうな」とぼんやりと思いました。もしかしたら、さくらの事だけではなくおばあちゃんとこの家の事も考えてここに住むと決めたのかも知れませんね。エロゲにはあるまじき、割と良識を持った主人公だと思いました。

 そんな感じで、個々の要素について丁寧に作られた作品だと思いました。プレイ時間の短さの中に内容が凝縮されていると思いました。本当、どこかにさくらみたいな女の子いないですかね。いたら世の中の男性はみんなさくらに惚れてしまいますね。勇勢は、ちゃんと責任を持ってさくらを守らなければいけませんね。まだ初潮も来ていないのですから、結婚までまだまだ時間が必要ですしね。やらなければいけない事は沢山あります。まずは勇勢はちゃんと再就職する事、そしてさくらは学校を卒業する事ですね。まあ、お互い素直で良識がありますので何とかなるんじゃないかって思っております。そして、あの大らかな田舎なので認めてくれそうですけどね。勇勢は大学4年という事は22歳でしょうか。さくらは何年生か分かりませんが小学6年だったら12歳ですね。10歳差なんて、今時普通ですからね!あとは結婚出来るまで幸せに過ごして欲しいと、それだけを願うばかりです。ありがとうございました。


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