M.M 妹が痔になったので座薬を入れてやった件




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
3 6 - 74 1〜2 2017/1/1
作品ページ(R-18注意) サークルページ(R-18注意)



<「リリックボックス×妹=∞」、それはADVになっても変わりありませんでした。>

 この「妹が痔になったので座薬を入れてやった件(以下座薬)」という作品は同人サークルである「リリックボックス」で制作されたビジュアルノベルです。リリックボックスさんは主にCG集を制作されているサークルでして、私も殆どの作品を買わせて頂いております。そしてリリックボックスさんを語る上で欠かせないのがやはり処女作である「お兄ちゃんの半分は欲望でできています(以下欲望)」ですね。原画を担当しているれーさー氏の塗りがよく柔らかい絵柄は妹という属性に非常にマッチしており、決してハードではなく丁寧なセリフ回しや素直なシナリオ展開は妹好きの方や初めてエロCG集を買うような方に最適です。リリックボックスさんの作品は割とジャンルの幅が広く、妹、姉、寝取られ、ファンタジーと様々です。ですがそのどれもが分かりやすいシナリオ展開であり、一言で言えば悪意のない「善意なCG集」と言えるかも知れません。

 今回プレイした座薬はそんなリリックボックスさんが制作したADVの第二弾です。第一弾である「ブラコン!なずさおねーちゃんの性活保護(以下ブラコン)」もまたれーさー氏原画であり、これまでのCG集同様の素直で丁寧な作りでした。第二弾である座薬もまたそんな素直で丁寧な雰囲気はそのままに、リリックボックスの十八番である妹が主役のADVという事で嫌が応にも期待していおりました。あらすじも見たままです。妹が痔になってしまったからお兄ちゃんに座薬を入れて欲しいとお願いするところから物語が始まります。捻りも何もありません。開始5分でもう座薬を突っ込んでいるのです。そしてそこから始まる兄妹の背徳の関係。それがれーさー氏の柔らかい絵柄でマイルドに表現されるのです。時に真面目であり、時に笑いもあります。非常に軽い気持ちで安心してプレイする事が出来ます。

 一番の魅力は、もうこれも言う必要はないのですがれーさー氏の描く妹の姿そのものですね。もうね、パッケージが気に入ったら素直にプレイしてみればそれでいいんですよ。ですが見た目の絵柄の好みだけではなく、その中身もまたとても魅力的です。この妹、非常に素直で真面目な性格をしております。お兄ちゃんの事が大好きであり、本当に痔に悩んで相談しに来るのです。勿論人並みの羞恥心は持っておりますのでお兄ちゃんに相談するのにとても勇気を使いました。それでも家族だからと割り切って、恥ずかしながらもパンツを下ろしていくのです。この健気な姿がたまりませんね。エロゲーですのでやる事やる展開になるのは分かっているのですが、こうも可愛らしい内面を見せてくれるとエロよりも愛しさの方が勝ってしまいます。お兄ちゃんも良識ある性格ですので鬼畜な展開にはなりません。是非2人のこそばゆくも気持ちが抑えられない姿を堪能して欲しいですね。ちなみに妹は兄を「お兄ちゃん」と呼びます。大事な事ですね。

 そしてこの作品はダブルヒロインとなっておりまして、もう一人は妹の親友です。妹がちっぱいに対してこっちは巨乳です。そして妹が素直でナチュラルな笑顔が似合うのに対してこっちはどこかムスっとしていております。このギャップもまた色々と想像を働かせてくれます。最終的にやる事やるのは分かっておりますしハードシリアスな展開にはなりませんので、是非素直に親友の内面を覗いてみて下さい。そして公式HPやパッケージを見ただけで既に2人が絡んだHシーンが登場する事が分かっております。「主人公×妹」や「主人公×親友」だけではなく、是非「妹×親友」や「主人公×妹×親友」といった絡みも期待してみてください。

 プレイ時間は私で1時間30分程度掛かりました。可愛いキャラクターを眺めていたらいつの間にか終わっておりました。本当れーさー氏の描く可愛らしいヒロイン像に癒されます。選択肢もありません。それでいて表情差分やCGの数は多いですので見所は十分です。何しろ普通のウィンドウモードの裏で立ち絵が変化するのです。ビジュアルだけでかなりの容量があります。ボイスもそれぞれのヒロインの容姿に合ったものであり、妹の舌っ足らずな様子や親友のどこかムスっとした感じが上手く表現されております。システム周りの細かいところまで設定でき痒いところに手が届きますね。ちょっとした時間で出来るライトな抜きゲーですので是非おやつを食べるかのような心持ちでプレイしてみては如何でしょうか。オススメです。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。








































<たとえどんな表情が見えても、最後まで愛されるキャラクターであれば御の字だと思いました。>

 いやいや、もうエロエロ大魔王未羽様には頭上がりませんね。あんなにノリノリで目をキラキラさせてドSでエロ好きだとは思いませんでした。最初のお淑やかな未羽は何処へやら。ですがそんなお淑やかな未羽も素直な未羽もエロエロ大魔王な未羽様も、全て含めて未羽の魅力だったなと思っております。

 プレイ前とプレイ後で、まさか3人が3人とも全く正反対の印象に変わるとは思ってもみませんでした。素直で性に疎いと思っていた未羽は実はエロエロ大魔王でドS、ムスっとして取っ付きにくそうだと思っていた香奈はとても相手思いでドM、そして何よりも主人公が真面目で優しいお兄ちゃんだと思っていたのですが思ったよりもノリノリで勢いで突き進む性格で楽しませて頂きました。「やはり俺はこうして真面目に日々を過ごすのが合っているな。」とかどの口が言ってるんでしょうね。それでいて「ばぶー」とか平気で言ってみたり「うちに住んでいいよ、香奈ちゃん」とか言ってみたり、特に最後のHシーンでの「一時停止した(抜こうとはしなかった)」には爆笑ですよ。この妹にしてこの兄有りってところですね。

 まあ、人って表面だけ見ても決して内面が分かる事はありませんからね。特に香奈は空手黒帯の実力とムスっとした表情の為かなり誤解が生じてました。それでいて巨乳ですので特に男からある事ない事言われていたのではないかと思います。誰も香奈がとても家庭的で料理が上手たという事を知らないのです。そして香奈がとても友達思いだという事も知らないのです。何よりも香奈がHの時に見た目とは違いドMで縛られて喜ぶ性格だという事を知らないのです!まさに最後に淳が「人は他人を理解したつもりでも、表面しか見えていないものなのさ」って言ったセリフそのものですね。何を綺麗に纏めようとしてるんや!って突っ込んでしまいましたけど、これがこの作品の中で一番言いたかったのかも知れません。

 ですがそれを差し引いでも未羽のエロエロ大魔王っぷりは凄まじかったですね。小学6年生の時からオナニーしていたとは言え、タガが外れるとここまで突っ走ってしまうんだなとある意味感心してしまいました。「…………お……お尻が……痛いの……」って恥ずかしがっていたのは何処へやら。「未羽特性の潤滑油。よく滑るよ」「香菜ちゃんとのスキンシップ大好きだよ」「処女膜もノーカン」「旅行って、ムラムラしない?」「TPO=乳首が・ピンク色の・おっぱい」ですからね!お兄ちゃんもう心配ですよ!いいぞもっとやれ、って思う傍らポカーンとしてましたからね。まあライトなエロゲーですので何も珍しいことはないのですけど、随分と遠いところに来てしまったとプレイ前の事を懐かしんでおります。

 という訳で特に多く語ることもありませんが、とにかくリリックボックスさんの素直で丁寧なシナリオを楽しませて頂きました。そしてれーさー氏の塗りがよく柔らかい絵柄はキャラクターやシナリオに合っており、とても魅力的でした。シリアスな雰囲気など一つもない、まさにエロゲーのお手本のような作品でした。それでもプレイ前とプレイ後でキャラクターに対する印象がここまでガラっと変わる作品はそうあるものではありません。内面を知る前と知った後ではこうも印象が違う、きっとそれは現実世界でも同様ですね。それでもたとえどんな表情が見えても、最後まで愛されるキャラクターであれば御の字だと思いました。ありがとうございました。


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