M.M はじめてのノベルゲーム




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
6 6 6 66 2〜3 2016/12/1
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<ああ、このゲームは文章を読むとかそういうんじゃないんだ。原田ひとみワールドを楽しむのが目的なんだ!>

 この「はじめてのノベルゲーム」は、同人サークルである「Honey Contrast」で制作されたビジュアルノベルです。Honey Contrastさんは声優であり歌手である「原田ひとみ」の個人サークルです。もう数々のアニメやゲームに出演しておりますので知らない人は殆どいないのではないでしょうか。そんな原田ひとみ氏が何となくノベルゲームを作ってみたのが切っ掛けらしいのですが、その後怪我のため長期入院している時にずっと温めていたらついにそれが形になってしまいました。私もC90のカタログを見てビックリしましたからね。あの原田ひとみがコミケ参戦、しかもノベルゲームでですから。実際C90当日も開始直後からそれなりの列が形成され、注目度の高さが伺えました。勿論私も早めに並び売り切れる前に確保しましたね。

 ところが並んでみてビックリ、何と通常盤で4,000円なのは分からなくもないですけど限定版が10,000円なんですもの!まあサントラが付いたりドラマCDがついたり、特典小冊子やグッズなどついてますのでそんなものなんでしょうけど、それでも10,000円ですのでさぞボリュームたっぷりな大作なんだろうなと思ってました。ですが私よりも先にプレイした方々の感想を見ると、何と2時間程度で終わるらしいではないですか!そうなってくると通常盤4,000円も法外な値段に見えてきます。原田ひとみの知名度と同人だからこそ成せる価格設定ですね。企業でやったらバッシングものです。という訳で何かと話題になったこのはじめてのノベルゲームですが、プレイしてみてとんでもないものに手を出してしまったと驚いております。

 公式HPにて「原田ひとみが無料ゲーム制作アプリで何気無く作ってみていたゲーム」と言っておりまして、その通り内容としては本当にテキトーに作ったという感じでした。基本ファンタジーなのですが、アイスピックを常備しているシスターや主人公のストーカーである男キャラなど突っ込みどころ満載なキャラクターばかりです。シリアスにしようとしてもシリアスになり得ません。しかもパロネタやメタ要素だらけで突っ込みが全く追いつきません。私は普段ノベルゲームをプレイする時はメモを取りながら進めるのですけど、もう途中で諦めましたからね。ああ、このゲームはそういうんじゃないんだ。原田ひとみワールドを楽しむのが目的なんだ、と。常に最大瞬間風速で吹き抜ける怒涛の勢いについて行くだけで精一杯でした。

 それでもただカオスなだけではなく、作り込みは大変クオリティの高いものでした。作画はとても丁寧で、女の子は属性豊富で皆可愛く男は凛々しくそして逞しいです。BGMもファンタジーらしく荘厳なものが多く、ボーカルに至っては勿論原田ひとみ本人歌唱で複数曲ありますからね。そして全キャラクターにボイス有りで、勿論原田ひとみも参加しております。個人的には主人公のボイスアクターがお気に入りです。プレイヤーが突っ込みきれない部分を代わりに突っ込んでくれるのですから!背景は割と使い回しが多いですが綺麗なものが多かったです。選択肢も短いながらも結構有り、エンディングの数も大変多いです。私もなんだか途中で変なスイッチが入って楽しくなってきましたもんね。気づいたら全てのエンディングを見終わってました。

 プレイ時間は私で2時間10分掛かりました。ちなみにこの作品にネタバレ要素はありません。「原田ひとみが何となく作ったものが形になった」、これだけで十分です。後はプレイし終わった皆さんでワイワイガヤガヤ感想を言い合いながら楽しんでもらえば良いのではないでしょうか。それでもノベルゲームの基本的なシチュエーションは無駄に抑えてますので、男でも女でも誰でも楽しめます。……金と名声を持っている人がこういうの作ると本当に怖い!でも同人らしくて実に良かったんじゃないかと思いました。また出たら買ってしまうかも知れませんね。そのときは、とりあえず通常版と限定版のどちらを買うかだけはよく見極めようと思います!ありがとうございました。


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