M.M　Glass

＜とても綺麗なスチルの数々。ただ余りにも短く余りにも中途半端。＞

　この「Glass」という作品は同人サークルである「STUDIO H.D.P..」で制作されたビジュアルノベルです。STUDIO H.D.P..さんと初めて出会ったのはC92で同人ゲームの島サークルを回っている時でした。白を基調としたパッケージの中心には涙を流している女の子の姿。そしてキャッチコピーは「物語に浸りたい貴方へーー」。非常に期待を持たせるものであり、どんな物語が待っているのか楽しみにプレイさせて頂きました。

　C92で頒布していたのは「Material」と呼ばれるパッケージでした。Materialには現在レビューしているGlass以外にも、続編である「Glass2」、次作である「Platinam」の予告ダイジェスト版、スピンオフ作品「mile」の開発中プロモーション動画、Glassシリーズの「設定資料」が収録されておりました。1枚で5度オイシイ内容であり、Glassに引き続いてGlass2の方も連続してプレイしてしまいました。というよりも、タイトルで書いておりますがGlassそのものは非常に短く加えて内容もとても中途半端でしたのでGlass2に進まないとイカンと思ってしまったんですね。

　ジャンルは神話ファンタジーノベルとなっております。その名の通り現実ではない「天上界」と呼ばれる場所から物語が始まり、神話に登場する神様の名を冠したキャラクターが登場します。立ち絵は一切なく、全てスチルで構成されております。水彩画のような絵柄はとても柔らかく、Glassという世界の雰囲気を体現しているかのようでした。ですが、あいにくこの作品について言えることはここまでです。何故ならシナリオも何もなく、プロローグの様なもので終わってしまったからです。

　プレイ時間は私で10分でした。サークルさん側では30分という想定でしたが、それ以上にあっという間に終わってしまいました。このGlassというシリーズのプロローグのような内容です。ネタバレもなにもあったものではありません。主人公が登場しその母親が登場し、何かしらの事情で母親と分かれて地上に降り立って終わりです。余りにも短く余りにも中途半端。スチルの美しさとキャラクターの造形が良かった分非常に残念で消化不良です。まあ、続編がありますのでそこから本当に物語が始まるのだと信じております。さっさと「Glass2」に進んでしまいましょう。

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現在ネタバレのレビューはありません。見たい方も見たくない方も避難して下さい。