M.M 銀色 完全版




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
9 8 7 84 20〜25 2006/5/17
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<追加要素の見事な整合性>

 「銀色 完全版」は、「銀色」にシナリオなどいくつか追加要素が加わった物です。なので、基本的なレビューは銀色のレビューを御覧下さい。ここでは、追加された要素についてのみレビューを書かせて頂きます。

 ます始めに追加CGについてですが、これは本編全体を通して幾つかCGが追加されています。一応同じ原画さんが書いたものと思われますが、弱冠絵の描き方が違うのでやや違和感を感じるかもしれません。

 次に追加音楽についてですが、追加シナリオの影響で数曲新しい曲が増えています。これがなかなか良い曲で、やはり銀色の雰囲気にあったものばかりです。そして、ボーカル曲が新しくなりました。相変わらず悲しげな雰囲気の漂う曲です。

 そして、銀色には無かった第三章の佐々井夕菜に声が追加されました。非常に表現が上手く、正規のヒロインの声優さんに負けず劣らずの実力を発揮してくれています。

 最後に追加シナリオについてですが、これが見事に銀色に適合しています。私が銀色をプレイして、弱冠説明不足と感じていた部分が見事に補完されていました。よくシナリオなどを追加して「完全版」としてゲームを発売するケースは少なくありません。しかし、この「銀色 完全版」においては、追加されたシナリオを各章の終わりにバラバラに配置しています。これが非常にうまい効果を出していて、まさに完全版の名に相応しいものになったと思います。

 まあ元が名作なので、「銀色」をプレイしてもしてなくてもやる価値はあると思います。ただ、銀色の項でも言いましたがかなりの「鬱ゲー」なので、そこだけは覚悟した方がいいかもしれません。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。








































<銀糸の行方と最大の犠牲者>

 さて、その追加シナリオについてですが、私としては銀糸の流れが本当に気になっていたので本当に満足出来ました。それにしても、本当に上手くシナリオを追加したものだと思います。「錆」の終わりから「第一章」を経て「第二章」に至るまでの銀糸の流れを非常に上手く整理してくれました。また、それと同時に時代背景までも正確に知ることが出来ました。

 それと同時に、追加シナリオで新たに登場した「石切」ですが、彼女こそがこの「銀糸」における最大の被害者であると思います。今までのヒロインは、銀糸に関わったばかりに結果死んでしまうことがありましたが、この石切の場合、逆に死ねなくなってしまいました。確かに石切は一度死んでいます。そうであっても、石切を生き返らせる「奇跡」の代わりに、不老不死という「代償」はあまりにも残酷な運命だと思います。唯一の救いは、石切に指名が課せられた事だと思います。世界中をまわって銀糸を集めるという途方も無い指名ですが、銀糸に関わった者として、あるいは死なない体を持つものとして仕方の無いことなのかもしれません(これが後に「朱〜aka〜」へと繋がっていきます)。

 とにかく、この「銀色 完全版」においてこのようなスケールの大きい話が追加されたことは本当に素晴らしいことであり、願ってもないことでした。是非他のメーカーさんにも、こういった妥協しない姿勢を見習ってもらいたいものです。


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