M.M 相反合神ダイテンアク




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
4 5 - 65 1〜2 2022/8/14
作品ページ サークルページ 体験版

本編(パッケージ版)

本編(DL版)



<一言で言えばチープ、だがそれこそがこの作品を楽しむ秘訣だと思います。>

 この「相反合神ダイテンアク」という作品は同人サークル「かにわーるど」で制作されたビジュアルノベルです。かにわーるどさんの作品をプレイしたのは今作が初めてです。切っ掛けですが、私とフォロワーである倉下さんで企画している「crAsM.Mビジュアルノベルオンリー」に参加頂いた事です。このイベントは、平たく言えばオンラインで行われるビジュアルノベルだけの即売会です。ビジュアルノベルであればオールジャンルでの参加を目指しており、様々な作品に出会える場にしたいと考え企画しておりました。今回レビューしている「相反合神ダイテンアク」もcrAsM.Mビジュアルノベルオンリー内で頒布され、他の作品にはない雰囲気を持ち合わせておりました。イベント前にプレイさせて頂きましたが、一言で言えば勢いのある作品でした。

 物語の始まりは唐突でした。舞台は現代の東京。突然、空に謎の飛行物体が現れました。その飛行物体は、まるで人間の様に見えるロボット。そして東京の街を攻撃し出したのです。すぐさま自衛隊の飛行機が飛んできて反撃を行いますが、全くダメージを与える事が出来ません。こんな唐突に、日本は壊滅してしまうのでしょうか。時を同じくして、秘密裏に開発されているロボットが動き出そうとしておりました。その名前は天悪號(てんあくごう)、柚木科学研究所で開発されたロボットです。謎の飛行物体と戦えるのは天悪號しかいない!ですがエネルギーが足りず劣勢になってしまいます。しかし天悪號は強かったです。これは、地球を侵略しようとするロボットとそれに対抗するロボットの戦いを描いた作品です。

 あらかじめ断っておきますが、ここからのレビューにおける言葉使いが大変失礼になってしまう事をご承知ください。開始1分で確信しました。この作品はB級SFだと!登場するロボットなどはどれもマインクラフトを想起させるような荒いポリゴンで作られており、正直安っぽい感じですが一目で印象が伝わります。そして、背景は実際の写真をぼかして使用しております。ここに、ロボットからのレーザーなどが打たれると2次元的な爆発エフェクトが表示されるんですよね。これもまた、安っぽいですが状況は良く分かります。総じてチープ、肩の力を抜いて進める事をオススメします。

 そして、ロボットのネーミングや技名なども雑と言いますか安直です。オヤジギャク連発の分かり易い名前や登場人物、クスリとした笑いすら乾いてしまうような雰囲気作りに唯々圧倒されました。ロボットの原理や敵の目的なども表面的には分かりますが、あまり深いところはぼかしており深く考える事に意味を見出せません。こういうものなんだなと割り切る精神が大切です。ただこれだけは間違いないと思うのですが、この作品の製作チームは旅行が好きで電車が好きなんだなという事です。例えば第2話で日光が舞台になるのですが、途中特急スペーシアに乗り日光まで向かう描写が丁寧に説明されております。またネタバレになりますが、電車はこの作品にとって非常に大きな意味を持っております。チープさの中に滲み出る製作者の好きな物が伝わった気がして楽しかったです。

 プレイ時間は私で1時間35分でした。この作品は全部で7話に分かれており、それぞれ10〜15分程度で読む事が出来ます。選択肢も無く、クリック1つでエンディングまでたどり着く事が出来ます。1つ注意点ですが、この作品は第2話以降ムービーが搭載されているみたいです。ですが私のWindows10ではムービーのタイミングで動作が止まってしまいました。後日サークルさんがアナウンスしておりますが、ムービーレス版を用意しておりますが不具合のある方はサークルさんに問い合わせて見てみ下さい。割と雑な感じのレビューになってしまいましたが、あまり深く考えずに謎のロボット同士の戦いを面白おかしく見届けるのが良いと思います。慣れれば一周回ってカッコよく感じてきますからね。こういうのが好きなんだなと、それが全面に表現された同人らしい作品だと思いました。ありがとうございました。


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現在ネタバレのレビューはありません。見たい方も見たくない方も避難して下さい。