M.M Charcoal Doll




シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
2 3 - 70 1〜2 2019/3/30
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<純粋に謎解きを楽しみつつ、主人公と少女に隠された秘密を見つけて下さい。>

 この「Charcoal Doll」は同人サークルである「すずとはな」で制作されたビジュアルノベルです。すずとはなさんの作品は、過去に「始まりのリフレイン」をプレイさせて頂きました。切っ掛けはC95にて同人ゲームの島サークルを巡っている時です。この時に上記の「始まりのリフレイン」と共に今回レビューしている「Charcoal Doll」も一緒に買わせて頂きました。「始まりのリフレイン」は爽やかな女の子の姿が印象的でしたが、「Charcoal Doll」はうって変わって何かを訴えるような暗い視線を送るゴシックな女の子が描かれております。間違いなく違う雰囲気の作品だろうと予感させてくれました。彼女が何者なのかを見つける為にプレイ開始し、今回のレビューに至っております。

 主人公が目を覚ますと、そこはとあるアパートの一室でした。目の前にはぬいぐるみを抱えた女の子が一人、彼女は何かを訴えるかのような視線を送るだけで何も語ろうとはしません。手掛かりは彼女が持っている一枚の紙切れ、そこには何か殴り書きのような言葉が書かれております。主人公とその女の子は、アパートの部屋を周りながら他の紙切れを集め、元の一枚の紙を完成させることになります。その先に何が待っているのでしょうか、そして主人公と女の子にどんな過去があるのでしょうか。ミステリーでありホラーな冒険が幕を開けます。

 この作品はミステリアス謎解きノベルゲームとなっております。プレイヤーは主人公と共にアパートの部屋を巡り謎の紙切れを探すために謎解きに挑戦します。基本的には、部屋にある様々なギミックをクリックしてアイテムを見つけたり、そのアイテムを使って状態を変化させたり、与えられた情報から暗号を解いたりしていきます。それぞれの部屋には底の住人が住んでおり、それぞれサラリーマン・老人・小説家・母子家庭とライフスタイルは様々です。その為部屋の間取りやデザインも様々で、それが謎解きの多様性を作り出していると思いました。割と発想の転換で気付けるギミックが多かった印象ですので、答えが分かった時のカタルシスは大きかったですね。

 ですが、同時にこの作品は間違った選択を行うと簡単にBADENDに行ってしまいます。それは何となくこれはしちゃいけないんだろうなという物もあれば、不意打ちでくらう物もあるかも知れません。全ての部屋でノーミスで紙切れを見つけるのは中々難しいと思います。ですが、このBADENDは後々の事を考えれば是非見てほしいと思います。この作品には「めもりー」と呼ばれる、いわゆるCGやエンディングリストを見られるモードがあるのですが、その中に「にっき」と呼ばれるメニューがあります。これはぬいぐるみを抱えた女の子とそれぞれのアパートの住人との関わりが書かれている物であり、これが解放される条件が各部屋でBADENDを見る事なのです。この「にっき」を読む事は、この作品のシナリオや背景を知るうえで絶対に欠く事は出来ません。まずは素直にノーミスを目指しつつ、その後BADENDを見つけてみて下さい。かえって、全ての部屋でBADENDを見つける方が難しいかも知れませんね。

 プレイ時間は私で1時間15分くらいでした。これはTRUEENDに辿り着き全てのBADENDを見つけるまでの時間です。私は一部屋10分程度で解く事が出来ました。またこの作品はセーブが1スロットしかありませんので、一つの部屋をクリアしたらセーブするのが良いと思います。セーブせずにどんどん進んで、突然のBADENDではじめからやり直しとならないように注意してください(私のようにはならないように!)。部屋を攻略していく中で少しずつ少女の秘密が明らかになっていき、最後の謎を解いた先に待っている物はどこか物悲しく哀愁漂うものでした。シナリオよりもゲーム性に特化しておりますので敢えてネタバレありのレビューはありません。是非自力でTRUEENDに辿り着き、そして「Charcoal Doll」というタイトルに隠された意味に気付いて下さい。面白かったです。


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