M.M Campus Notes - forget me not.


 この「Campus Notes - forget me not.」は先に発売された「Campus Notes vol.1 Re:Birth」及び「Campus Notes vol.2」の続きとなっております。その為レビューには「Campus Notes vol.1 Re:Birth」及び「Campus Notes vol.2」を含めたネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。

・「Campus Notes vol.1 Re:Birth」のレビューはこちら
・「Campus Notes vol.2」のレビューはこちら

※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。


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以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。























































































シナリオ BGM 主題歌 総合 プレイ時間 公開年月日
9 7 - 85 5〜6 2015/4/23
作品ページ サークルページ



<彼らの再開したい願いを叶えてあげる事は、私たちプレイヤーの役割ですね。>

 筑波大学に編入し、そこからリスタートして自分の目的を見つける物語を描いた「Campus Notesシリーズ」の第三弾です。vol.1、vol.2と筑波大学を舞台として非日常的日常な世界を描いており、何も持ち合わせいないと思っていた主人公が個性豊かな筑波大学生と出会い触れ合う事で自分自身の目的を再発見する物語です。製作者全員が筑波大学の卒業生であり、今回レビューしている「Campus Notes - forget me not.」はまさに4th clusterさんの筑波大学愛の集大成とも思える内容でした。

 最後までプレイしてみて思ったのは、どうしてLAPLACEのイレギュラーがこの5人だったのかという事でした。勿論理由はLAPLACEを展開するにあたり作成していた経路を妨害したのがこの5人だったからです。ニコが活動している段階で既にLAPLACE計画は始まっておりました。そしてそのLAPLACEの意志によってその領域はどんどん拡大し、そのまま世界を覆うはずでした。ですがそれを初期の段階で無意識にも妨害したのがこの5人「ベルタの騎士団」達でした。ならばこの5人ですら内包してその上でLAPLACEを完全なものにする、この様にしてLAPLACEとベルタの騎士団との戦いは幕を開けたのです。

 ですが上で書いたことはあくまで事実としての理由であり、ともすればニコの経路を妨害したのは「たまたま」この5人だったと思われても仕方がありません。何が言いたいのかといいますと、妨害したのがこの5人でなければ確実にLAPLACEの勝利でありLAPLACEが世界を覆うのは確定的だったという事です。そう考えるとLAPLACEは運が無いですね。ですが果たして本当にLAPLACEの運が無かったからこの5人だったのでしょうか。私は違うと思いました。きっとここにはLAPLACEによって未来がシミュレートされてしまう事を拒んだ意思が存在したのだと。ではその意思は誰によるものなのでしょうか。思案橋瑞季でしょうか。三全音三弦でしょうか。雪丸博士でしょうか。思うにそれはきっと私たちプレイヤーなのではないかと思っております。

 この作品、私は最後のEDにたどり着くまで大変苦労しました。いくら選択肢を選んでもどうしても個別ヒロインのEDにしかたどり着きませんでした。そしてあれらのEDでこの作品が終わりだとはどうしても思えませんでした。ですが今思えばこれこそがLAPLACEのシミュレートの正確さであり、それだけLAPLACEの意思に反することは困難だったという事なんだろうと思いますね。きっと個別ヒロインのEDにしかたどり着けないプレイヤーの様子を見て、ニコを始めとした彼女らはほくそ笑んでいたことでしょう。ここで私が諦めていたら、きっとそれはそれでLAPLACEの勝利だったという事ですね。

 ですがそんな訳には行きませんね。私たちプレイヤーには彼らを元の世界へ返してあげたいという意思があります。直接LAPLACEと対峙し戦うのは彼ら「ベルタの騎士団」ですが、せめて彼らが道を間違えないように私たちプレイヤーがサポートする事が出来ました。その際に大切なことは5人全員が力を合わせるということでした。LAPLACEへの勝利条件は5人全員が元の世界で再開すること。特定のヒロインとだけ再開しては勝利にはならないのです。だからこそ、個別のヒロインのケツだけ追いかけていてはいつまでも真のEDにはたどり着けなかったのですね。どのヒロインとも満遍なく触れ合い、そしてLAPLACEと戦う意思を忘れないよう選択肢を選ぶことが彼らの勝利に繋がりました。

 物語最後、夏燕は「縁を繋げますように」と神様に願いを込めました。今更神様に願い事なんてしなくてもあなたたちだったら間違いなく縁は切れないと思いますよ。そうです、縁を繋ぐのは神様ではなくあなたたち5人の意思なのです。大丈夫です、あなたたちの意思はあなたたちが思っている程弱くはありません。それはプレイヤーである私達が保証します。さあ、あなたたち5人の筑波大学生活は始まったばかりです。何しろ出会ってからまだ1日しか経ってないのですから。折角出会ったのです。精一杯楽しんで永遠のものにして下さいね。それこそが、神様であるプレイヤー全員の願いなのですから。ありがとうございました。


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