M.M 浅葱妖怪相談所2
シナリオ | BGM | 主題歌 | 総合 | プレイ時間 | 公開年月日 |
6 | 6 | 6 | 75 | 2〜3 | 2014/7/22 |
作品ページ | サークルページ | 通常版![]() ![]() |
この「浅葱妖怪相談所2」は前作である「浅葱妖怪相談所。」の続編となっております。その為レビューには「浅葱妖怪相談所。」を含めたネタバレが含まれていますので、ネタバレを避けたい方は避難して下さい。
・「浅葱妖怪相談所。」のレビューはこちら
※このレビューにはネタバレしかありません。前作と本作の両方をプレイした方のみサポートしております。
以下はネタバレです。見たくない方は避難して下さい。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
<葵が自分で決断して行動した事、それが今回の依頼の解決の為に必要な全てでした>
ようやく浅葱家の過去について知ることが出来ました。浅葱家は昔から立派な陰陽師の家系では無かったんですね。初代当主は人間と妖怪を結びつけようとする変わり者でした。葵の父は人間と妖怪の間に位置する存在で忌み嫌われていました。そして葵にはこれまで浅葱家が代々引き継いできた悪妖の力が眠っておりました。そんな事実、確かに過去の葵なら知りたくなかったでしょうね。でも今は大丈夫です。葵は自分や浅葱家や兄の抱える想いについて知る覚悟を身につけました。心構えは出来ましたので後は自分の中に眠る悪妖の力を制御するだけですね。
という訳で「浅葱妖怪相談所2」という事でしたが、前作同様コミカルで純和風の雰囲気はそのままで終始穏やかな気持ちでテキストを読むことが出来ました。加えて今回はムービーがついてました。このムービーについてはおすすめ同人紹介のみなみ氏も2013年度で一番好きなムービーとして勧めておりましたが、その通り何度見ても飽きが来ないムービーでした。よく動き華やかな流れはたいへん目を引くのですが、その根底にある柔らかさが変わらないのが凄いと思いました。これは歌の力もあるのかも知れません。あくまで穏やかにそして和風に、シンコペーションを多用したサウンドは実に日本人向けだと思いました。映像で惹かれ歌で惹かれ、大変心地よいムービーでした。
そして浅葱妖怪相談所と言えば謎解きとパズルです。今回は前作の倍以上のボリュームがありました。基本はマウスで気になる箇所をクリックすれば解けるのですが、結構クリックする箇所が多かったので総当りで調べました。難易度的には前作と同じくらいの印象でした。辛抱強くやる事とちょっとした発想で全て解けると思います。個人的には巻物のパズルにやられました。メモと同じように配置ても解けないから回してみるというのは良いトリックだと思いました。あと最後の壁の謎は偶然解けてしまいました。つきあめ、言われてみれば確かに文字入力の言葉と同じですね。これはちゃんと考えて解きたかったですね。
そしてシナリオですが、今回の依頼は浅葱家の負の部分を凝縮したような内容だと思いました。兄が間違って使ってしまった術式で蒼が暴走してしまいましたので、世代と時を越えた償いが必要でした。兄もまた完璧超人ではありませんでした。完璧超人どころか普通に失敗もする人間でした。そんな兄の弱さを見ることが出来たからこそ、葵は自分で選択するという決断をする事が出来たのだと思います。今回の依頼のもう一つの目的は、葵が自分自身の気持ちで決断し行動する切っ掛けを作ることでした。キーさまも「難しく考えるんじゃねぇ!どうしたいか言え!!!」「己の義を信じろ!」と叫んでました。いつも兄に言われたからとか責任を別のところにおいていた葵、その葵が自分の責任で行動したのです。その理由も「浅葱妖怪相談所らしくない!」「家族だから一緒に償う」という所が葵らしくて良いですね。ともあれこの葵の姿を見て、兄は葵に最後の試験を行おうと決めたのでしょうね。
果たして葵は自分の中にある悪妖の力を制御できるのでしょうか。こればかりは気持ちだけでは不可能だと思います。まだまだ葵は陰陽師の実力としては半人前です。それでも人間にも妖怪にも優しくできる葵であれば、健やかに実力を身につけていずれは力を制御できるようになると思っております。そして力を制御できた瞬間が代々浅葱家が引き継いできた呪いが溶ける瞬間です。葵が実力をつける過程の中で恐らく父と母に掛けられた呪いも溶けると思います。次回作があればその辺りのエピソードを読んでみたいと思いました。まとまらなくなりそうですので今回はここで失礼します。